白クマ
日医白クマ通信 No.417
2006年6月1日(木)


定例記者会見 2006年度緊急レセプト調査(プレ調査)中間速報
―4月レセプトデータによる前年比較―

記者会見の様子


―4月の調査では、改定幅を超えるマイナスに―

 鈴木満常任理事と中川俊男常任理事は、5月30日、日医会館で、「2006年度緊急レセプト調査(プレ調査)中間速報―4月レセプトデータによる前年比較―」について記者会見を行った。

 中川常任理事は、「プレ調査(日医総研)」(対象:北海道、石川県、静岡県、福岡県)を行い、引き続き「全国調査(日医)」(会員 の5%程度を抽出)を実施する予定であることを説明。5月26日現在で453医療機関(診療所369、病院84)から回答があったことを報告し 、状況によっては再改定を求める用意があることを説明した。

 中川常任理事は、改定後の医療費について、「日医の見通しだと自然増が+2%あり、改定率が−3.16%で、前年比ではおよそ−1%となる。そこに4月の日数調整−2.2%(2005年4月は22.5日、2006年4月は22.0日)を勘案して、およそ約−3%となると見込まれていた。 しかし、実際には、−5.93%と大幅なマイナスになってしまっている」と解説した。

 (厚労省では改定後の医療費の予測として、自然増を+3〜+4%としており、改定率−3.16%、日数調整の−2.2%を勘案すると、4月の入院外前年比は約−2〜−1%となる)

 日医・日医総研の資料によると、診療所の総点数は、前年同月比で、−5.93%、総件数は−2.69%、総日数−5.82%、1件当たり点数は−3.34%、1件当たり日数は−3.22%、1日当たり点数は−0.11%であった。診療科別の診療所の入院外総点数は、皮膚科で−11.1%、精神科で−10.8%であり、改定で配慮したとされる小児科でも−1.5%であった。

 診療所の院内処方・院外処方別の入院外、総点数は前年同月比、院内−7.32%、院外−5.41%であった。

 診療所の1件当たり日数(入院外)は、すべての診療科で減少または横ばいであった。このうち、整形外科では4.0日から3.8日へと0.2日 減少したほか、内科、外科、精神科でも0.2日減少した。

 鈴木常任理事は、「改定の影響については、全国調査が終了し、それを分析して対応するので秋口くらいまで時間が必要になるかもしれない。特に、病院については療養病床の影響をきちんと調査しなければならない。医療区分1の患者さんが多い施設では、経営的に破綻する恐れがあり、そこに入院している患者さんの行き場はどうなるかという大きな問題がある」と、療養病床のあり方が大きな問題点であることを指摘した。

 また、中川常任理事は、看護師の夜勤の配置基準の問題などで、地域医療の安全の担保ができないなどとなれば、再改定を求めざるをえないと語った。

◆問い合わせ先:日本医師会広報課 TEL:03-3946-2121


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