白クマ
日医白クマ通信 No.537
2006年11月17日(金)
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定例記者会見
「7対1入院基本料に対する日看協の見解に遺憾の意を表明」

中川俊男常任理事


 日本看護協会は、11月15日、同協会が実施した「7対1入院基本料届出に関する緊急調査」の速報のなかで、「7対1入院基本料の届出が全国的に拡大していることを高く評価し、現場の努力とその成果に敬意を表する」旨の見解を発表した。

 これを受けて、中川俊男常任理事は、同日の記者会見で、「日看協のような、全国すべての看護師を代表する立場にある団体が、7対1入院基本料届出の拡大という一面的な結果のみを捉えて、評価を行うことは非常に遺憾である。日看協には、地域における第一線の医療を守る視点から発言をしていただきたい」と、日看協の見解に苦言を呈した。

 同常任理事は、「7対1入院基本料を算定するために、看護師の争奪戦が激化しており、中小病院では、年末賞与の後には大量の看護師が退職して、7対1を目指す医療機関に移動する可能性があるとの報告も受けている」と説明。さらに、特定機能病院が、来春の新規看護師採用に向けて、数百人単位の求人活動を全国展開していることを問題視。これらの行動が、特に地方の中小病院における看護師確保の困難さに拍車をかけ、地域医療の荒廃を招くのではないかと強い危惧を示した。また、厚生労働省は、7対1入院基本料を算定できる、いわゆる勝ち組だけを評価するのではなく、中小病院の深刻さにも目を向け、なんらかの手を差し伸べるべきであると発言した。

 日看協の「手厚い看護師の配置が、質の高い看護サービスにつながり、患者さんの安全・安心を支える大きな力になっていくと確信している」とのコメントに対しては、7対1の体制を取った医療機関における具体的な検証も行われていない一般論の段階であるとして、本件に対する冷静な対応を呼びかけた。

◆問い合わせ先:日本医師会広報課 TEL:03-3946-2121(代)


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