白クマ
日医白クマ通信 No.890
2008年3月31日(月)


定例記者会見
母子保健検討委員会答申
「子ども支援日本医師会宣言を実行していくための具体的方策」を公表

今村定臣常任理事


 今村定臣常任理事は3月26日の定例記者会見で、母子保健検討委員会が唐澤人会長からの諮問「子ども支援日本医師会宣言を実行していくための具体的方策」についての答申を取りまとめ、前川喜平委員長(神奈川県立保健福祉大大学院教授)から会長に提出したことを報告した。

 なお、同委員会では、前年度にもう一つの会長諮問「周産期医療の充実、特に産科医、小児科医の地域における確保・偏在対策の具体的提言」について検討し、19年2月に中間答申を行っている。

 答申には、(1) 妊娠を望む人たちへの支援、(2) より安全な妊娠・出産に向けての医療環境の充実、(3) 満足できる妊娠・出産に関する社会環境の整備、(4) 子どもが育ちやすい医療環境の充実、(5) 子育てに関する社会環境の整備、(6) 障害児への支援―の6項目について、問題点や現状、それを踏まえた方策、要望等が記載されている。

 「妊娠を望む人たちへの支援」では、遠方の不妊治療施設への通院負担を軽減すべく、不妊治療に協力できる産婦人科医の育成を掲げたほか、行政と医師会などが連携し、不妊カウンセリングや遺伝カウンセリングの窓口を置くことを掲げた。「より安全な妊娠・出産に向けての医療環境の充実」では、産科医、産科医療機関不足の現状を訴え、産科医療施設の集約化や、オープンシステムを導入した一次医療施設の積極的な産科医療への参入、産科・新生児医療のネットワークづくりなどを提案。一方、フレックス制やワークシェアリング、グループ診療制等の導入により女性産婦人科医の就労支援を図るなど、勤務体制の改善の必要も明記されている。このほか、妊婦健診の公費負担の充実や、乳幼児・小児医療費助成制度の拡充、予防接種率の向上、病児・病後児保育体制の充実、入院医療における医療保育士(病棟保育士)配置の促進など、さまざまな観点から子ども支援の政策が提言されている。「おわりに」では、「この答申が実際の医師活動の起点となり、日本全国に親子が輝いてみえる街づくりの基になることを心より願っている」としている。

 また、今村(定)常任理事は都道府県医師会に対して実施した「子ども支援日本医師会宣言に関する調査」についても触れ、「宣言で掲げる施策のうち、一番実施しているのは『学校保健の充実』で、少ないのは『満足できる妊娠・出産に関する社会環境の整備の取り組み』だったが、多くの医師会でさまざまな取り組みがなされていることがわかった」と報告。「この答申を踏まえ、子ども支援日本医師会宣言の具体的実現に向けてより一層取り組んでいきたい」と結んだ。

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第三課 TEL:03-3946-2121(代)

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