白クマ
日医白クマ通信 No.998
2008年9月4日(木)


定例記者会見
福田首相の辞任表明を受けて
2,200億円削減に限界があると認識を示した首相に一定の評価

竹嶋康弘副会長


 竹嶋康弘副会長は、福田康夫首相が、9月1日夜に辞意を表明したことに対して、日医からのコメントを9月3日の記者会見で発表し、「国民が安心できる社会保障改革の実現に向けて、日医としては福田政権に少なからず期待を寄せていただけに、その陣頭指揮にあたっておられた福田首相の突然の辞任は衝撃を受けた」と述べた。

 同副会長は、福田首相の社会保障政策について、「特に『国民の目線』からの改革に取り組む政治姿勢を明確に打ち出し、2008年1月には『社会保障国民会議』を創設。そして6月に取りまとめられた『中間報告』には、地域医療の崩壊の現実を見据え、それを食い止めるために、『財源確保が大きな課題となることが不可避』であることが明記された」ことを引用。

 さらに、「社会保障費の国庫負担年2,200億円の削減について、歴代総理の中ではじめて『限界がある』との認識を示し、社会保障費抑制の転換を試みたことに評価したい」とした。しかし、「実現に向けての道のりは半ばであり、削減が撤回されなかったことは極めて残念」とコメントした。

 最後に同副会長は、「昨年からのロビー活動を通じ、多くの自民党議員が国策としての社会保障の充実の必要性を、厚生労働委員会を始め、自民党の厚生労働部会、政調会等で述べている。これは、徐々に日医の主張が浸透してきたことの表れと自負しており、変化を感じている」と発言。「国民一人ひとりが、安心して暮らせるようになったと実感できる社会を実現するため、次期首相に対しても具体的に、社会保障費の年2,200億円削減の撤回をあらためて要請したい」と結んだ。

◆問い合わせ先:日本医師会総合医療政策課 TEL:03-3946-2121(代)


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