指導:前 東京慈恵会医科大学産婦人科教授
   寺島 芳輝

生活習慣病の改善と予防に効果
 運動は健康増進に役立つばかりでなく、病気に対して薬同様の役割を果たすことがあります。たとえば、高血圧、肥満や糖尿病などの生活習慣病、女性に多い骨粗鬆症などには、運動療法が役立ちます。

中高年の運動のポイント
 長い間の習慣の結果としてかかるのが生活習慣病です。運動を続けている人としない人とでは、年をとるにつれて差が拡大してきますが、運動を始めるのはいつからでも間に合います。しかし、中高年では突然死をはじめとする心臓・血管系の事故、整形外科的事故が心配です。事前に医師と相談してメディカルチェックを受け、運動処方を作ってもらうと安心です。
 種目としてはウォーキング、サイクリング、水泳やダンスなどがおすすめです。競技的性格が強く筋力を使うものは、ストレスになり、心臓への負担も大きく不適当です。

疲れを残さない目安とは?
 中高年の場合、健康の維持・増進の効果をあげるには1週間に3日くらい行う程度でよいのですが、2日でもかなり効果はあります。1回の運動時間は、準備運動と整理運動の時間も含め1時間くらいが適当です。運動量は翌日に疲労を残さず、おっくうにならない程度が原則です。膝関節痛などの整形外科的障害を防ぎ、疲労をためないためには、多くても1週間に5日以内とし、間に休養日を入れましょう。
 手軽にできるウォーキングの目標は1日1万歩ですが、運動不足の中高年では現実には1日3千〜4千歩程度です。できるだけ車に乗らないで歩き、汗をかくことから始めましょう。
 大切なことは長続きさせることで、思わぬ効果が期待できます。


 

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