健康交差点No.50 エッセー 診察室から 前号 目次 次号
お母さんの頑張りが 健康の鍵
原 日出子(女優)

 健康な心と身体。だれもが当たり前に持っていられたら、どんなにすばらしいでしょう。

 例え、これといった病気を持っていなくても、バランスのとれた心と身体を保っていくのは難しいことです。3人の子どもたちの母として、多忙な夫を支える妻として、そして、自分自身のために私ができること……それは、バランスのとれた食事を作り、ともに楽しく食べること。どこよりも安心でき、癒される家庭を作ること。よく会話し、たくさんスキンシップをとり、愛情表現は惜しみなくする。どれも、心を強くする大切な栄養素です。

 健康な身体は食生活から、強い心は、愛情に満ちた温かい家庭から生まれて来る、と実感しています。「忙しい仕事の合間に、手をかけるのは、大変でしょう」と、よくいわれますが、大切に思い、努力したご褒美は、毎日私に返ってきます。お母さんの頑張りが、家庭の健康の鍵を握り、家庭の健康は、健全な社会の鍵を握っています。

 母親万歳!

診察室から 日本の医療制度について(1)

 政府の医療政策は、(1)国民皆保険(2)現物給付(3)フリーアクセスの3つの優れた特徴を柱に、国際的に見て低額な医療費で、高水準で安心できる医療サービスを国民に提供してきました。

 その結果として、日本は世界一の長寿国となり、乳幼児死亡率は世界一低い国になりました。しかし、医学・医療は日進月歩であり、高齢者人口の増加と相まって、医療費も増加する傾向にあります。それに対して、政府は、経済の低迷を理由に、医療費抑制政策を進めようとしています。経済の状態に医療の内容を合わせようとしているのです。

 日本医師会は、国民の健康と生命を守るための医療に経済が合わせるべきだと考えています。

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