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平成28年(2016年)7月5日(火) / 日医ニュース

医工産学連携による新たな機器開発のため医師と企業が集結

医工産学連携による新たな機器開発のため医師と企業が集結

医工産学連携による新たな機器開発のため医師と企業が集結

 第1回医師主導による医療機器開発のためのニーズ創出・事業化支援セミナー(主催:日医、経済産業省関東経済産業局)が6月11日、日医会館大講堂で開催された。
 本セミナーは、ニーズ創出を含めた医師主導による医療機器開発のため、医師会員を中心に、非会員、工学系研究者、弁理士会及び自治体等にも参加を呼び掛けて、わが国の医療機器開発の促進に向けた方策とあり方を展望するとともに、地域の臨床ニーズやアイデアを発掘、収集することを目的として開催されたものであり、医療機器開発に関心がある医師、大学・研究機関、製販企業、ものづくり企業、行政・支援機関から227名が参加した。
 開会あいさつで横倉義武会長(今村聡副会長代読)は、「さまざまなアイデアを持つ医師と、機器の開発を担う事業者とが信頼関係に基づき、緊密に連携しながら機器開発を進めていくことが重要」とするとともに、「日医では、多くの先生方に医療機器開発への関心を持って頂くため、本セミナーを開催した。医療機器開発のための大きな連携の土台となり、わが国の医療機器開発の促進に寄与するものとなるよう期待している」とした。
 引き続き行われた鍜治克彦経産省関東経済産業局長の主催者あいさつの後、羽鳥裕常任理事が、「医師主導による医療機器開発・事業化支援業務」について、平成27年6月より開始した同業務の進捗状況を説明。平成28年6月9日現在の登録状況については、「アイデアを登録した医師数」が66人、「開発アイデアの登録件数」が計100件に到達したことを報告した。また、同時点で89件の目利きが終了し、医療機器の開発や事業化の可能性が中程度・高程度であったものが42件、その中で、7件は日医の支援、企業等の紹介を行っており、28件は日本医療研究開発機構(AMED)等への橋渡しを予定しているとした。
 更に、今年度は、本セミナーを全国6カ所で開催する予定であることを紹介し、次年度以降にも同規模で継続する意欲を見せた。
 門田靖経産省関東経済産業局次世代産業課長は、「医療機器産業振興に係る関東経済産業局の取組」として、同省で行っている「医療機器産業ものづくり基盤強化プロジェクト」について説明。「医療機器」「専業医療機器メーカー」「地域移行連携活動」「ものづくり企業」を結び付けることで課題の解消を目指し、地域医工連携活動が活発化することを目指しているとした。
 基調講演では、北島政樹日本医工ものづくりコモンズ理事長が、「医療機器開発における医師とモノづくり企業の連携」と題して、文部科学省の研究拠点形成等補助金事業である21世紀COEプログラムの中で拠点リーダーとして関わった「低侵襲・新治療開発による個別化がん医療確立」について解説した。
 また、日本における医工連携の課題として、ニーズ(医療者の需要)とシーズ(企業が持っている新しい技術・材料・サービス)のミスマッチングを挙げるとともに、その解決のため、それぞれの現場を結ぶプラットホームを築くことを目的として「日本医工ものづくりコモンズ」を創設したことを紹介。医学と工学の学会が参画し、2012年に医工連携の初会合が開かれたことなどを報告した。
 村山雄一東京慈恵会医科大学脳神経外科教授は、米国での産学連携の経験として「脳動脈瘤治療用コイル」を開発したことや、日本で初めて保険適用された医療ソフトウェア「JOIN」の開発に携わったことなどを説明。
 わが国においても、特許教育や環境整備など若手医師を支援する体制が整いつつあり、日本で世界に通用するような医療機器を開発できるよう、今後も医工産学連携を推進していきたいとした。
 更に、内田毅彦日本医療機器開発機構代表取締役CEOは、「医療機器開発事業化のポイント」として、事業化に向けて特許出願における留意点などを解説。「日本は、世界に先駆けて超高齢化を迎えている状況にあるが、逆に世界に先駆けたアイデアを出すチャンスでもある。ぜひ機器開発にチャレンジして頂き、国を支える産業につなげて欲しい」と述べた。
 また、中野壮陛医療機器センター専務理事は、「医療機器開発における安全規制とマーケット規制」として、アイデアを事業化するに当たり、知っておくべき規制や、審査を受けるに当たり、検討する必要がある事項などを説明した。
 その後は、厚生労働省、経産省、AMEDの取り組みの紹介に続いて、「医療現場からのアイデア発掘の必要性と開発・事業化支援のあり方」と題するパネルディスカッションが開かれた。
 来場者からは、「アイデアの特許がどのように守られるのか」「医療機器開発のガイドラインの改訂状況」など多くの質問が出され、講演者間で活発な議論が行われた後、会は盛会裏に終了した。
 なお、当日は、日医会館1階ホールにおいて、企業・団体・行政による医療機器開発に役立つブース展示や、アイデアを有する医師向けの個別相談なども開催された。

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