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平成28年(2016年)7月20日(水) / 日医ニュース

「新たな専門医の仕組み」「高額医薬品の保険財政への影響」等に関する質問に理事者側から回答 代表質問

代表質問1 医師会の更なる組織強化に向けて~臨床研修後の対応を見据えて~

 上田博代議員(中部ブロック)からの医師会の更なる組織強化に向けての質問には、横倉会長が回答。前期、会内に「医師会組織強化検討委員会」を立ち上げ、研修医会費無料化や"face to face"のコミュニケーションが、入会を促すためには最も効果的である等の提言を頂いたとした他、「医師会入退会・異動手続きの簡素化」については、会員情報システムの再構築を進めているところであるとした。
 また、調査によると日医に未加入の郡市区等医師会員が約2万7,000名いることに言及し、本来、全ての郡市区等医師会員は日医会員でなければならないとの認識を示すとともに、会員数の増加は会費の増加につながり、更なる会費減免等を含めた広範な方策に係る議論の契機にもなるとの考えを示した。
 更に、若手医師への勧誘と合わせて、三層全てに加入していない都道府県医師会員あるいは郡市区等医師会員に日医まで加入して頂くことが組織強化に向けた確かな一歩になるとした上で、今後も継続して都道府県医師会に協力を依頼していくとともに、引き続き、実効性のある方策について鋭意検討していくとした。

代表質問2 高額医薬品保険適応による保険財源への影響を憂う

 石川紘代議員(中国四国ブロック)からの「高額医薬品保険適応による保険財源への影響を憂う」との質問に対し、中川副会長は、公的医療保険の持続性を高めるため、国民皆保険の財政を揺るがす高額な薬価の在り方について、中医協の判断機能を飛躍的に高めなければならないとした上で、医薬品のイノベーションを評価しつつ、費用対効果評価等も取り入れ、医療保険財政の持続性を担保できる合理的なルールをつくっていく必要があると指摘。その際には、高額医薬品をひとくくりにするのではなく、薬の種類や目的によって分類すべきとの考えを示した。
 更に、「有効性・安全性が認められた医薬品が、必要な患者に保険診療として提供されることを最大限に求めていかなければならない。従って、混合診療を拡大するような方向に議論を誘導すべきではない」と述べた上で、適切な薬事承認、適正な薬価を決定する仕組みの構築に全力で取り組み、厚生労働省に強く働き掛けていく決意を示した。

代表質問3 諸施策の基盤である「医療費適正化計画」を検証し、日医独自の対案を示すべき

 空地顕一代議員(近畿ブロック)からの「医療費適正化計画」に関する質問には中川副会長が、「医療費適正化計画は、医療費抑制ありきであってはならず、患者の受療行動を抑制したり、地域の医療提供体制をゆがめたりする目標設定は、今後も絶対に認めない」と主張した。
 また、財政当局が、当初、医療費抑制のツールにしようとした地域医療構想は、日医の努力により、将来の医療需要としての患者数を見据え、不足している医療機能を手当てする仕組みに修正されたと説明し、「医療費の効率化を狙う医療費適正化計画とは、全く相いれない」と述べた。
 その上で、公的医療保険の持続可能性を高めるためには、生涯保健事業の体系化による健康寿命の延伸、糖尿病のハイリスク群への早期介入による透析導入患者の減少、高額な薬剤の薬価算定ルールの見直しが急務であり、地域包括ケアシステムを実現するためには、かかりつけ医を中心とした切れ目のない医療・介護の提供が不可欠との認識を示し、日医としては、そのために必要な財源を真正面から求めていくとした。

代表質問4 日医が描くこれからの医療提供体制の在り方と都道府県医師会の果たすべき役割について

 瀬戸裕司代議員(九州ブロック)の①日本医師会が描くこれからの医療提供体制の在り方②都道府県医師会の果たすべき役割―を問う質問には、横倉会長が回答した。
 ①については、かかりつけ医を中心として地域全体の機能分担と連携が進み、どの地域に住んでいても、また、どの疾病にかかっても、地域完結を基本として適切な医療が受けられる体制であるとした。
 また、②に関しては、郡市区等医師会と密に連携しながら、地域医療構想を含む医療計画の策定とPDCAサイクルに主体的に関わり、管内の各地域の実情を十分に反映していくとともに、疾病予防、健康増進、介護や福祉との整合性を図っていくことだとの考えを明示。その上で、今後については、地域医療支援センターや新たな専門医の仕組みにおける協議会においても主体的な役割を担うことを求めた。

代表質問5 医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会中間とりまとめ(案)について

 小熊豊代議員(北海道ブロック)からの「医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会中間とりまとめ(案)」に対する日医の見解を問う質問には、今村副会長が回答した。
 同副会長は、現在の医師不足地域に配慮しつつ、一時的に増員した医学部定員を元に戻すよう求め続けていく方針であるとするとともに、「自由標榜制・自由開業医制の見直し、保険医の配置・定数の設定」等、規制的な手法に対しては、「医師キャリア支援センター(仮称)」によるキャリア形成や、診療科や地域ごとの医師需給情報の提供など、地域医師会を中心とした種々の取り組みの実施が大前提であるとした。
 また、「医師の働き方や勤務状況の全国調査を行い、『科学的に判断』して分析を行うことを前提に、『新たな医療の在り方を踏まえた医師の働き方ビジョン(仮称)』を策定した上で、必要な医師数を更に検討する」としていることに関しては、日医の主張と大きく矛盾するものではないとし、「調査結果を踏まえ、改めて議論に臨んでいきたい」と述べた。

代表質問6 医師の需要と供給、偏在対策について

 橋本雄幸代議員(東京ブロック)は、医師の需要と供給、偏在対策に関する日医の情報発信について質問。今村副会長は、特に新たな専門医の仕組みなどについて、頻回にわたり情報や意見の発信を行ってきたが、今後も引き続き問題の解決に当たるとともに、より積極的に情報を発信していくとした。
 医師の需給問題・偏在対策については、医学部入学から生涯にわたって医師の異動を把握する「医師キャリア支援センター(仮称)」など、医学部と都道府県医師会が中心となって、地域で医師を育てていくという、日医・全国医学部長病院長会議が取りまとめた「医師の地域・診療科偏在解消の緊急提言」の実現を図っていくとし、政府概算要求への要望書の中で医師届出票の見直しも要請していることを説明した。
 更に、医師の偏在対策は、国や知事が強制的な権限を発動するものであってはならないとし、医師会を中心とした自律的な行動を基本とした制度づくりや、医師を目指す若い人達も含めた啓発に取り組んでいくとした。

代表質問7 日本型在宅医療の推進のために

 佐藤和宏代議員(東北ブロック)からの「日本型在宅医療の推進」に関する質問には、松原副会長が回答。有床診療所や小規模病院が減少していることについて、「中小病院と有床診療所には、毎年度の病床機能報告において、高齢者医療、在宅医療を担うという意識をもって頂き、在宅医療を支援する施設として、地域の医療提供体制と診療報酬の両面でしっかりと位置づけていくことが必要である」との認識を示し、平成30年の診療報酬・介護報酬同時改定や、新しい医療計画の検討の中で対応していくとした。
 また、一部の在宅医療専門の診療所が多くの患者を診ていることに対して、平成28年度の診療報酬改定で、開設要件に「地域医師会からの協力の同意」を設けたことを説明した上で、「かかりつけ医の外来診療の延長に在宅医療があるべきという日医の考えは変わっていない」と強調。在宅医療の提供体制については、かかりつけ医と地域医師会が中心となって地域の特性に応じて構築するよう求めた。

代表質問8 JMAT派遣の今後の取り組みについて

 古谷正博代議員(関東甲信越ブロック)の「JMAT派遣の今後の取り組み」についての質問には、松原副会長が回答。JMATと行政の医療救護班の一本化の要望については、「基本的に活動する期間や地域も異なる以上、一本化することは難しい」との見解を述べる一方、両者の2枚看板を認めているとし、都道府県医師会に、知事との間で県外派遣の場合も想定した災害時医療救護協定を締結するよう依頼してきたことを説明した。
 「活動報告書の様式が統一されていない」との指摘には、避難所のアセスメントシートや災害診療記録については、今回の震災前から共通化の動きがあったことを紹介し、JMATや行政の医療救護班、他の医療チームが利用できるよう共通様式の普及に努めるとした。
 また、災害救助法の適用については、今般のJMAT活動が、熊本県から熊本県医師会に、更には熊本県医師会から日医に要請があったものであるため、適用対象となるとの見方を示した。

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