日医ニュース
日医ニュース目次 第1094号(平成19年4月5日)

第116回日本医師会定例代議員会
高齢者への感謝の気持ちを具現化し
心優しい福祉国家への扉を開く

 第百十六回日本医師会定例代議員会が,四月一日に日医会館大講堂で開催された.全国から三百四十九名(定数三百五十名)の代議員が出席し,平成十九年度事業計画,一般会計予算などが審議され,可決成立した.

第116回日本医師会定例代議員会/高齢者への感謝の気持ちを具現化し心優しい福祉国家への扉を開く(写真) 午前九時三十分,石川育成代議員会議長の開会宣言・あいさつの後,議席の指定,定足数の確認など,所定の手続きが行われ,唐澤人会長が所信を表明した別記事参照.つづいて,竹嶋康弘副会長が平成十八年度の会務概要を報告.その後,平成十八年度に物故された会員千四百五十七名(二月末日現在)の霊に対し,全員起立して黙祷を捧げ,議事に入った.
 初めに,第一号議案「平成十八年度日本医師会会費減免申請の件」が上程され,宝住与一副会長の説明の後,賛成多数で可決.次いで,第二号議案「平成十九年度日本医師会事業計画の件」,第三号議案「平成十九年度日本医師会一般会計予算の件」,第四号議案「平成十九年度医賠責特約保険事業特別会計予算の件」,第五号議案「平成十九年度治験促進センター事業特別会計予算の件」,第六号議案「平成十九年度医師再就業支援事業特別会計予算の件」を一括上程.竹嶋・宝住両副会長からの提案理由説明の後,詳細な審議を行うため,五議案は予算委員会(二十五名で構成)に付託され,代表質問と個人質問に移った.

代表質問

 (一)療養病床の再編問題についての上埜光紀代議員(北海道ブロック)の質問には,竹嶋副会長が,介護療養型医療施設が担ってきた要介護4,5の人を特養,老健等で受け入れることは,今の施設機能では不可能と指摘.単なる財政面からの病床削減策には異論を唱え,機能面からの充実に向け,関係審議会等で主張していきたいと強調した.
 一方,都道府県に策定が課せられている“地域ケア整備構想”は“医療費適正化計画”や“医療計画”との整合性の確保が重要だとして,都道府県医師会に,地域特性を十分反映させるよう,積極的な関与を要請した.
 さらに,天本宏常任理事は,三月二十九日開催の社会保障審議会介護給付費分科会で了承・答申された“療養病床転換支援措置”について,施設基準の緩和措置等を詳細に説明.「施設基準の緩和のみでなく,看護職員などの人員配置基準や医療提供体制等も含めた一体的な見直しが行われなければ転換は難しく,早急な議論が必要だと問題提起している.今後も,医療の必要性の見地から検討するよう,データを基に提言していきたい」と述べた.
 (二)佐藤和宏代議員(東北ブロック)の地域医療の基盤となる中小病院の存続のために,(1)夜勤七十二時間規制の緩和(2)「特別入院基本料」の引き上げ─を要望する質問には,竹嶋副会長が回答.問題は十分に認識しており,地域医療現場の混乱の修正を図るべく,中医協等でデータを示し,“地域格差是正”と“激変緩和”の措置を求めていると説明.「平成十八年度改定の不備については中医協の公益側・支払側も認めており,これを変えるよう,何らかの方向性を見出していきたい」と述べた.
 (三)野村秀洋代議員(九州ブロック)は,七対一新看護配置基準の見直し対策に関し,日医の今後の対応策と,その実現に向けた努力目標を質した.
 竹嶋副会長は,七対一入院基本料導入による四月一日以降の看護職員の内定状況等を,今後調査する予定であるとし,各都道府県医師会に協力を要請した.さらに,中医協として「建議書」を厚生労働大臣に提出したことで,本問題はすでに政策課題になっていると強調.関係省庁や国会議員,自民党社会保障制度調査会等で説明するとともに,平成二十年度改定で対応するとされる事項についても,地域医療が混乱している状況に鑑み,諸施策の“前倒し”を行うよう要望していると述べた.
 (四)黒瀬康平代議員(中国四国ブロック)からの看護師に関する行政施策の現状と改善に向けての日医の方針についての質問には,岩砂和雄副会長が次のように回答した.
 EPA(経済連携協定)にかかる外国人看護師等の実質的受け入れは年度内には難しい.日医は,反対はしないが,そのことで看護師不足が解決するとは思えない.
 看護職員の需給は,厚労省の「第六次看護職員需給見通しに関する検討会」で作成した資料を基にその見通しを検討するが,日医では,独自の看護職員需給調査を実施.その結果,中医協において,十二年ぶりの建議を引き出した.
 助産師の不足と偏在については,助産師養成校の定員増(社会人入学枠の導入)と助産師養成コースの新設(夜間定時制コース新規開設)が現実的施策であり,現在,四カ所で計画が進行している.
 看護行政への対応は,特定の専門職種団体の意向に沿って決定されないようにしたい.准看護師養成の存続と支援の重要性は十分に認識しており,各都道府県医師会でも,地域の実情・ニーズに即した対応をして欲しい.
 (五)「診療行為に関連した死亡の死因究明等の在り方に関する課題と検討の方向性」(厚生労働省試案)のなかの,(1)予期せぬ死亡(2)届出の義務化(3)免責制度(4)紛争案件への結果の利用─に対する日医の見解を尋ねる大久保吉修代議員(関東甲信越ブロック)の質問には,木下勝之常任理事が,(1)異状死や「予期せぬ死亡」を厳密に定義することは困難.担当医師が死亡診断書を書けない場合は届けるべき(2)医師法二十一条に代わるものを新たに制度化する以上,そのことを含め検討する必要がある.医療関連死の届出は国(例えば厚労省内)または都道府県に組織をつくるよう提言する(3)医療行為による死亡のみを特別扱いはできないが,従来の業務上過失致死傷事件処理の際,必要かつ最小限の範囲で刑事訴追してきた検察当局の姿勢が堅持されることを強く要望する(4)専門家集団である第三者機関が行うことを国が法律を定めて決める以上,患者・家族,担当医師,警察への調査・検討結果の報告は避けられない─と回答.
 今後,「医療事故責任問題検討委員会」がまとめる予定の答申に基づく日医としての意見を厚労省が新設する会議に反映させ,問題解決を目指したいとの考えを示した.
 (六)加藤義博代議員(中部ブロック)からは,日医のイメージアップのための広報戦略について,質問があった.
 宝住副会長が,「昨年十月から開始したTVCMや,三月十八,十九の両日に全国紙に掲載した意見広告などの広報活動に対しては,現在まで好意的な意見が多く寄せられている.日医のTVCMを見た人は四七%と約半数に達し,TVCMを見た人は見ない人に比べ,日医の活動に対する『関心度』で一〇ポイント,『期待度』で七ポイント,『信頼度』で四・五ポイント上回っている.他方,意見広告への反響でも,ほとんどが賛同や激励のものであった.日医の主張が国民の目にどう映るか,その主張が国民の利益に合致しているのか,などについて,絶えず意識し,確認しながら,政策を練り,広報していきたい」と回答した.
 (七)安達秀樹代議員(近畿ブロック)からの日本の医療提供体制の危機と日医の対応についての質問に対して,唐澤会長は,近年の国の医療費削減策によって,わが国の医療提供体制は危機的状況にあると指摘.現在,日医が各地域の医療の状況をデータベース化しており,それを分析して,本来必要とされる医療費予測を行っていると説明.「その結果を基に政策提言していきたい」と述べた.
 日医の組織強化策については,勤務医の意見を尊重することによって医療に対する課題を共有し,互いに協調していくことに意義があるとの考えを明示.今後は,医師の組織として,自ら総合的な理念を国民に提示し,国民の健康と福祉の増進に貢献していきたいとした.
 また,今後も,国民医療推進協議会を通じて,国民に安全で安心な医療提供の実現を図るための活動を行うとともに,「グランドデザイン二〇〇七」についても,関係各方面に広く配布し,理解を求めていくとした.

個人質問

 (一)森下立昭代議員(香川県)からは,日医の表彰及び代議員の定年制について質問があり,羽生田俊常任理事が回答.
 本件については,平成十四年三月の「未来医師会ビジョン委員会」の答申で提言され,平成十五年五月設置の「定款・諸規程検討委員会」で検討された.その結果,委員会では,「組織として世代交代は不可欠であるが,役員・代議員の定年制導入は,保険医の定年制と連動することを危惧する」「代議員の選出は各都道府県医師会に付託しており,各医師会が個々に対応すべき問題である」との判断から,「定年制を導入すべきでない」との結論になった.
 昨年度設置した「定款・諸規程検討委員会」でも審議しており,執行部では,同委員会の審議結果を踏まえて慎重に検討していく.
 (二)諸岡久夫代議員(長崎県)より,医師会看護学校における助産師養成に関しての質問があった.羽生田常任理事が回答.
 現在,長崎,愛知,群馬の医師会で三校,東京助産師会が一校の計四校が設立申請を済ませ,来年四月に開校する予定である.助産師養成校設立を決意いただいた医師会には敬意を表する.
 助産師養成所を開設・運営するには多額の資金が必要で,現在の補助金では,高額の授業料を設定しなければ運営できない.新たに助産師養成所を開設する場合に,開設準備金のような一時金を設定できないか,武見敬三厚生労働副大臣を通じて厚労省に要望している.
 (三)河西紀夫代議員(北海道)より,看護専門学校における臨地実習の緩和について質問があった.
 羽生田常任理事が回答.
 日医としては,看護師等養成所,特に准看護師養成所における実習病院の確保がとりわけ困難なことから,本年一月に四病院団体協議会に対し,「看護学生,准看生徒の病院実習の積極的な受け入れ」をお願いしたところである.
 カリキュラムの見直しについては,保健師,助産師,看護師の資質向上を目指して,厚労省では保健師二,助産師一,看護師四の各単位増を決定している.厳しい状況ではあるが,協力して欲しい.
 男子学生の母性実習が困難なことについては,厚労省看護課にIT,ビデオやモデル人形による実習を認めるよう交渉中である.
 (四)有坂實代議員(群馬県)の控除対象外消費税に関する質問に対しては,今村聡常任理事が回答.控除対象外消費税の補填分として社会保険診療に上乗せされた分については,以後の診療報酬の改定,包括化によって,現在では維持されていないと思われるとの考えを示したうえで,日医としては,いったん課税制度にし,患者負担を少なくするためにも,ゼロ税率あるいは軽減税率に改めることを要望していると説明.その実現のために,現在,関係各方面に働き掛けを行っていることを報告するとともに,各医師会でも,この問題に対する理解を広げるために,地元選出の国会議員などに働き掛けを行って欲しいと要望した.
 (五)日医総研の活動状況に関する篠原彰代議員(静岡県)の質問に対しては,竹嶋副会長が,(1)緊急レセプト調査,療養病床の再編に関する緊急調査,看護職員の需給調査などを例に挙げて,日医総研が調査・分析した結果を踏まえて日医が政策提言を行ってきた(2)常勤・非常勤合わせて四十四人にまで研究員を増員した(本年三月現在)(3)外部の有識者も参画してもらい,「日医総研戦略会議」を立ち上げ,そのあり方などを検討しており,今年度も引き続き開催する─ことなどを説明.今後も,優秀な研究員の確保を図りながら,活性化を図っていきたいとの考えを示した.
 (六)遠山晃代議員(新潟県)の周産期医療の崩壊を食い止めるための日医の対応を求める質問には,今村定臣常任理事が,まず,日医としても,周産期医療を取り巻く現状に危機意識を持ち,三月に日刊紙を使って意見広告を掲載したことを報告.また,医師が安心して日常診療を行えるように,(1)無過失補償制度の早期施行に向け努力中である(2)医療事故時の報告先については警察に代わる機関として厚労省管轄下に第三者機関の創設を検討している(3)女性医師バンクを中心とする再就業支援事業を開始した(4)助産師養成定時制コースの設置を決定した─ことなどの具体策を説明.今後も,国と連携を保ちながら,「安全なお産」ができる体制を守るための努力をしていきたいと述べた.
 (七)吉原忠男代議員(埼玉県)の後期高齢者医療制度に関する日医の考えを問う質問には,中川俊男常任理事が説明を行った.
 同常任理事は,わが国の公的医療保険の最大の特長であるフリーアクセスを阻害する「人頭払い制」については,その導入に断固反対していくことを表明.また,後期高齢者医療制度については,保障理念の下に支えていくべきであると考え,公費負担割合を医療費の九割にするなどの提案をしていることなどを説明したうえで,今後は,「高齢者の医療の確保に関する法律」に明記された問題点について,国民,政界に働き掛けて,あるべき姿に軌道修正していきたいとした.
 (八)医療費適正化計画に関連して,(1)老健や特老の入所者への医療提供(2)住民健診への営利企業参入(3)都道府県別の診療報酬設定─などの問題に対する日医の見解を問う加藤正彦代議員(三重県)の質問には内田健夫常任理事が回答.(1)については,入所者に必要な医療が提供できるよう審議会等で主張していくと説明.(2)に関しては,安かろう,悪かろうの健診・保健指導が横行する恐れがあることを指摘し,その回避に努力していくとした.また,健診データが目的外使用される懸念については,地域・職域連携推進協議会のなかにそれをチェックする第三者機関を設けるよう,厚労省と協議していると述べた.さらに,(3)については,明確に反対の姿勢を示した.
 (九)宮良春代議員(福岡県)の一部負担金過払い通知に関する対応についての質問には,鈴木満常任理事が,「本件は,社会保険庁・国保の調査により,多数の附記漏れが判明している.附記漏れのあったものについては,改めて過払い分を医療費通知に記載して事業主等を通じて被保険者に連絡することとしており,病名等の漏れにより査定されたものについては,積極的に再審査に出して欲しい」と回答.
 また,患者さんが医療機関に過払い額の返還を求める場合,民法上の現存利益の範囲内かどうかという問題があるが,その解釈が複雑なため,患者さん自身が社会保険事務局へ問い合わせるよう説明し,理解を求めて欲しいと要望した.
 (十)小笠原真澄代議員(秋田県)のリハビリテーションの算定日数制限緩和についての質問には,鈴木常任理事が回答.
 「今回のリハビリ日数制限緩和策は,関係四学会に了解済であることを確認して中医協で同意したものであるが,あくまでも暫定措置であり,今後も逓減制問題,医学管理料等を含めて,次回改定の優先事項として対応していきたい.また,それぞれの学会と連携をとり,医療と介護の切れ目のない体制をいかに構築するか,具体的な方向性を示していきたい」とした.
 また,いわゆる「リハビリ難民」については,介護施設等での受け皿が整備されていない現状において,その出現を防止すべく鋭意努力するとした.
 (十一)藤田敬之助代議員(大阪府)は,「日医も勤務医の視点を持つべき」と,勤務医の意見を反映する体制づくりを提言した.
 これに対して,鈴木常任理事は,勤務医の過酷な労働環境の根本的な要因は,長年にわたる政府による財政主導の医療費抑制政策であり,これを改めない限り状況を改善することは難しいと指摘.中医協等あらゆる審議会の場で,政府に対して医療崩壊に導く医療費抑制策の転換を強く要求していくとした.
 また,医師の本来業務以外の仕事が急速に増加し,過重労働が加速していることについては,その解決策として医師の裁量権を逸脱しないことを前提としたうえで関連職種への業務分担の振り分けが必要との考えを示し,今後も「勤務医委員会」で慎重に検討を行うとした.
 加えて,女性医師に対するきめ細かい就業支援を行うため,本年一月に「日本医師会女性医師バンク」を設置したことを報告した.
 (十二)小澤孝好代議員(兵庫県)のレセプトオンライン請求義務化についての質問には,中川常任理事が答弁した.
 平成十八年六月の「健保法等の一部を改正する法律」の成立時に付けられた附帯決議で,レセプトオンライン化は義務的要件でなく,努力目標になっていることを指摘するとともに,日医が訴えてきた周辺問題の解決状況については,三月三十日付の通知で都道府県医師会に報告したことを説明した.
 レセプト枚数が年間千二百件以下の場合,オンライン義務化が二年間猶予される点については,請求件数の要件撤廃を求めるとともに,期限のない経過措置を要求するとした.特に診療所については,最終的には一律義務化するのではなく,「手挙げ方式」を前提とするよう強く働き掛けると回答した.
 (十三)藏元昭一代議員(熊本県)の有床診療所の存続と療養病床の再編についての質問には,鈴木常任理事が,「有床診療所は地域密着型という特徴を持っている.医療法改定に伴い四十八時間の入院期間制限規定が撤廃され,入院医療の一翼を担うことになった以上,診療報酬の入院基本料等においても病院に準じて適正に評価されることは当然」と,その有用性,必要性を改めて強調.今後,診療所の調査を実施し,その分析データを根拠に,中医協で主張していきたいとした.
 また,療養病床の削減についても,数値目標の訂正を求めるべく,現在,日医総研で必要病床数を算出し,検討中であるとした.
 (十四)鶴谷嘉武代議員(群馬県)は,「骨太の方針二〇〇七」および平成十九年度診療報酬改定に向けた日医の対応を質した.
 中川常任理事は,日医の本年度の政策目標の第一は,いわゆる財政中立を前提とした議論から脱却し,適正な診療報酬を確保することであると強調.日医が取るべき行動として,次の三点((1)地域医療崩壊の現実を,国民に明確なデータ・メッセージとして示し,国民の意識・行動変革にも結び付けることに,さらに注力する(2)厚労省だけでなく,財務省や内閣府とも強固なパイプを構築し,ゆるぎない折衝を行う.財政制度等審議会の建議,「骨太の方針二〇〇七」,来年度予算の概算要求といった本流に訴えかける(3)地域医師会と一体となったロビー活動を展開する)を挙げた.
 (十五)城守代議員(北海道)は,医師免許更新制に関する,日医の考えを質した.
 飯沼雅朗常任理事は,患者さんが安心して受診できる医師であるために,医師の努力・研鑽を国民に見えやすくすることが,時代の要請であると指摘.そのうえで,生涯教育における質の担保の重要性を強調し,その方策については,「生涯教育推進委員会」「学術推進会議」で検討していると説明した.
 また,日医の生涯教育に全会員が参加し,生涯教育に励んだ医師ならば,安心して受診できるという信頼につながる制度を構築したいと述べ,医師免許の更新が「官」の制度ではなく,学術団体の自発的生涯教育の結果として,医師自身が免許更新をするという意気込みで進みたいと見解を示した.
 (十六)吉野俊昭代議員(愛媛県)は,特定健診・特定保健指導について質問した.
 内田常任理事は,地域医師会が健康指導に関わるための具体的な受託パターンについては,厚労省「第五回保険者による健診・保健指導の円滑な実施方策に関する検討会」に提出した資料を,都道府県医師会にも配布しているので,参考にして欲しいと説明.また,市町村国保,政管健保等との契約に関しては,各地域医師会が地域の医療機関を取りまとめて行うことが必要とした.
 一方,共済組合等の保険者については,基本的に日医での対応を考えているが,地域特性を反映するよう,地域医師会の情報を取りまとめる形で対応したいと述べた.
 (十七)佐藤泰司代議員(山形県)は,日医認定学校医制度および学校医の配置等の実態把握について質問した.
 内田常任理事は,平成十四・十六年の「学校保健委員会」の答申で,認定学校医制度における初任者研修の重要性が提言され,日医では,平成十六年に『日本医師会学校医の手引き』を作成したと説明.現在,三府県医師会で,指定学校医制度が導入されているが,初任者研修が全国的に展開され,研修制度が定着すれば,導入に向けての基盤整備につながるとした.
 また,平成十三年に日医が実施した調査では,学校医の実人数は三万八千八百九十四人であったが,今年度中には,学校医の実態把握調査を実施し,その結果を踏まえながら,さらなる学校医活動の推進を図っていきたいと述べた.
 (十八)近藤稔代議員(大分県)は,日医特約保険の加入増等にもつながるとして,同保険の保証期間延長を要望した.
 木下常任理事は,同保険の「被保険者資格喪失の際の特則」として,(1)死亡退会について,当該保険期間終了後五年以内に請求を受けた場合は,個々の事故通知がなくとも保険適用はある(2)退会等で被保険者資格を失う場合,事故発生の通知を行い,当該保険期間終了後五年以内に請求を受けた際は,解決までに何年かかっても保険適用はある─ことを説明.
 同保険を会員の死後何年まで担保するかについては,基本契約の改定が必要となることや,五年を超えれば掛け金の増額を伴うことになるとして,当面は現行どおり続けていくとの考えを示した.
 なお,予算委員会に付託された議案の審議結果については,予算委員長(横倉義武代議員・福岡県)から報告があり,第二〜六号議案は賛成多数で可決された.
 引き続き,第六十五回日本医師会定例総会が開催され,(一)庶務及び会計の概況,(二)事業の概況,(三)代議員会において議決した主要な決議─に関する事項について,唐澤会長が報告を行い閉会した.

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