日医ニュース
日医ニュース目次 第1219号(平成24年6月20日)

第14回被災者健康支援連絡協議会
協議会が一致団結し,今後も被災者を守ることを改めて確認

第14回被災者健康支援連絡協議会/協議会が一致団結し,今後も被災者を守ることを改めて確認(写真) 新執行部発足後,初めての開催となる被災者健康支援連絡協議会(以下,同協議会)が五月二十八日,日医会館で開催された.
 当日の議事は,(一)各団体の今年三月以降の支援状況と今後の支援予定,(二)厚生労働省等からの報告事項,(三)各団体からの報告事項等,(四)その他―であった.
 会議の冒頭,同協議会の新代表に横倉義武日医会長が,新事務局長に羽生田俊日医副会長が,それぞれ就任することが承認され,羽生田新事務局長の司会で開会した.
 あいさつに立った横倉新代表は,「昨年三月の震災以降,被災者健康支援連絡協議会として,さまざまな形で,医療関係団体が力を合わせ被災地の支援に取り組んできたが,復興の足音が徐々に聞こえてくる中で,今,医療関係職として,どのような手助けが出来るかが,本協議会の大きな課題となっている.今後起こり得るさまざまな自然災害等への対応も含め,全ての医療関係者が今後も力を合わせていくよう協力をお願いしたい」と述べた.更に,「政府からの援助等により被災地の復興は急速に進んでいくと思われるが,そうしたことも同協議会が医療関係団体の要望等を含め,担当大臣始め,関係各位にお願いしてきた成果である」との考えを示し,出席の政府関係者に更なる理解と協力を求めた.
 同協議会の足立信也顧問(参議院議員)は,「同協議会も発足後一年が経ったが,同協議会の取り組みがなかったら,被災地はどんなことになっていたかを考えると,行政任せではいけないと改めて感じている」と同協議会の活動を評価した上で,「被災地の復興を考えながらも,がれき処理は一切受け付けないというような日本の現状の中で,健康を預かるわれわれが,一年経った今,改めて,今後は何をすべきか.また,それを行政側,政治の側にどうつなげていくかを,もう一度まとめる方向で検討していただけたらと思う」と述べた.
 (一)では,石川広己常任理事が,平成二十四年三〜五月の,日医JMATIIの活動状況を報告するとともに,三月十六〜十八日に,発災後一年を経過した被災地で,何が必要なのかを調査し,今後の支援の在り方を探る目的で,厚労省,日本看護協会,日本栄養士会と共に被災地の視察を行ったことを報告した.同常任理事の被災地視察は四度目となる.
 各団体からは,被災地において,精神科の医師や看護師の不足が,特に深刻であることや,短期ではなく,中長期の医療従事者の派遣が求められていることなどが報告された他,全国老人保健施設協会が,「介護老人保健施設 震災マニュアル」を作成したことも紹介された.
 (二)では,唐澤剛厚労省大臣官房審議官が,「被災地では二度目の夏を迎えることになるが,医療提供体制の復興,特に福島の復興,公衆衛生や電力需要の問題等があるので,今後も逐次相談させていただきたい」と述べた.
 (三)では,羽生田事務局長が,日医と四病院団体協議会との連名で,電力九社に対して,「電力使用制限令及び計画停電発動に伴う医療機関等への通電に関する要望」を提出したことを報告し別記事参照,「関係省庁にも出しているが,各地域で医師会,病院等が電力会社と引き続き交渉して欲しい」と要請した.
 嘉山孝正事務局長(全国医学部長病院長会議相談役)からは,四月より,被災地医療支援委員会事務局を,国立がん研究センターから山形大学医学部総合医学教育センター内に移転したことが報告された.

被災者健康支援連絡協議会

 東日本大震災による被災者の健康を支援することを目的として,政府の「被災者生活支援特別対策本部」の協力要請により設置されたもの.日医を始め,現在三十四の医療関係団体で構成され,関係省庁(厚労省,復興庁,総務省,文部科学省)も参画して,被災地支援の方策について検討を行い,政府に要望・提言を行っている.

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