健康交差点No.18 エッセー 診察室から 前号 目次 次号
野球と僕
掛布雅之(プロ野球評論家)

イラスト 大好きな野球を始めたのは、中学生の頃からだった。高校時代は、甲子園出場が当面の目標で、プロ野球は、夢のような大きな存在だった。だから、現実に目の前にその世界が広がった時、日々の練習を大切にして、自分から野球を好きになるように心がけた。

 その結果、4年目にレギュラーが取れ、15年間現役を続けることができた。それは、僕ではないもうひとりの自分がしたことのようにも思える。現役時代、野球という夢が自分から遠くならないように猛烈に練習し続けたが、辞める時に、自分自身で納得のいくけじめをつけたかったからだった。

 現役を引退した今は、自分のホームページの掲示板で全国のファンと気持ちのキャッチボールをしている。これまでの質問は9千近くになり、それぞれ書いた人の表情が見えて楽しい。

 でもやっぱり、グラウンドに行って野球を見るのが僕の基本線で、リラックスする場所は野球場だ。僕の体の真ん中には、野球という背骨があると思っている。

診察室から 株式会社の病院って国民のためになるの?
 株式会社の病院を認めた方が、患者さんの選択肢が広がるから良いことだという意見があります。でも、営利を求める株式会社の病院を選択できるのはお金持ちだけです。調査によれば、国民の大多数は、お金のあるなしに関係なく、平等に医療が受けられる現在の日本の医療保険制度が良いと考えています。お金のあるなしで差別される米国のような、不平等な仕組みを望んでいる人は、ほとんどいないのです。
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