健康交差点No.26 エッセー 診察室から 前号 目次 次号
気迫と励まし
舞の海(大相撲解説者)

 96年名古屋場所、9回目となる274キログラムの小錦関との対戦。

 立ち合いでパッと両手をたたき、「猫だまし」で奇襲、両前まわしをつかみ、相手の寄りを利用して下手ひねり、ここまではうまくいった。しかし、土俵際で右に回りこむ際、俵に詰まった左足を逃がす余裕がなかったのが不運。崩れ落ちる巨体を避けられず、左ひざが下敷きとなってしまった。

 なんとか勝ち名乗りは受けたものの、左ひざ内側側副(ないそくそくふく)じん帯損傷で全治4カ月。レントゲンで、じん帯の部分断裂が確認され、相撲を取れるようになるまでに3、4カ月はかかるとのこと。

 参りました!

 体の小さい自分は、いつかこういうことが来るとは思ってはいたが。一場所休場し、十両で3連敗した時には、「もう終わりかな」と思った。切れそうな気持ちを救ったのは、段ボール箱いっぱいのファンレターと先生方の「何としてでも治す。心配するな」という気迫と励まし。

 このことなくして、今ある自分はない。感謝!感謝!

診察室から 「病院」と「診療所」はどう違う?
 多くの人は、医療機関に受診することを“「病院」にかかる”といいます。しかし医療機関は、すべてが「病院」ではありません。医療法という法律では、医療機関は「病院」と「診療所」の2つに分けられています。20人以上の入院設備をもつものを「病院」、19人以下か入院設備をもたないものを「診療所」といいます。

 全国には、約9千施設の病院があり、約160万人の人が働いています。一方、診療所は約9万5千施設あり、約60万人の人が働いています。

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