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令和元年(2019年)11月20日(水) / 日医ニュース

長きにわたり、医学・医療の発展に貢献してきた功労者を顕彰

長きにわたり、医学・医療の発展に貢献してきた功労者を顕彰

長きにわたり、医学・医療の発展に貢献してきた功労者を顕彰

 日本医師会設立72周年記念式典並びに医学大会が11月1日、日医会館大講堂で開催された。
 当日は、日本医師会最高優功賞・優功賞・医学賞・医学研究奨励賞の授与の他、ノーベル生理学・医学賞受賞者の大村智北里大学特別栄誉教授による特別講演などが行われ、受賞者の長きにわたる功績を称えた(受賞者一覧は別記事参照)

 記念式典並びに医学大会には、堀憲郎日本歯科医師会長、山本信夫日本薬剤師会長の他、ミゲル・ジョルジュ世界医師会(WMA)会長、K.K.アガラワルアジア大洋州医師会連合会長ら、海外からも多くの来賓が出席した。
 冒頭、あいさつした横倉義武会長は、「医師と患者という縁から信頼関係を結び、患者の生命・健康を最も身近で守り続ける存在が、かかりつけ医である」と強調。そのかかりつけ医が中心となって、「防ぎ・治し・支える医療」を国民に提供していくことこそが、人生100年時代の医療を象徴する姿であり、今後目指すべき医療の方向性であるとした。
 また、「AIやICT等の医療への活用によって、医師による十分な診療時間を確保し、患者の満足度を高めていくことが、病ではなく人を診るという、本来の医師・患者関係を取り戻し、ひいてはかかりつけ医の普及拡大につながる」として期待感を表明するとともに、健康長寿社会の実現に向けた取り組みを深化させていく決意を改めて示した。
 来賓あいさつでは、まず、加藤勝信厚生労働大臣の祝辞を自見はなこ厚労大臣政務官が代読。「本大会を通じて、本日の受賞者の功績を、会員の先生方に披露することは、日医ばかりでなく、わが国の医学研究・医療の発展にもつながるものと考えている」とした上で、「厚労省としても、その後押しができるよう、医療提供体制の構築、医学研究・開発の発展に努めていきたい」と述べた。
191120a2.jpg  続いてあいさつしたジョルジュWMA会長は、横倉会長のWMA会長としての功績について、「UHCの推進と緊急災害対応の強化に関する覚書」をWHOと締結したこと、非感染性疾患NCDsとUHCに関する国連ハイレベル会合に出席したことなどを挙げ、感謝の意を示すとともに、今後もWMAとして、医療の質の向上に向けた活動に対する協力を続けていく考えを示した。
 引き続き、その他の来賓者が紹介された後、表彰式に移り、受賞者に対して、横倉会長から表彰状と記念品目録が授与された。
 受賞者を代表して、謝辞を述べた今井立史山梨県医師会長は、「令和という新たな時代となった際に、日本医師会最高優功賞を受賞できたことは、将来忘れ得ぬ喜びとなった」とした上で、「医療を取り巻く環境は厳しいものがあり、横倉会長の下、各医師会が一致団結していかなければならない」と強調。今後については、「先達の築いてきた歴史に恥じぬよう、これからもなお一層研鑽に努め、医学の振興、国民医療の向上に努めていきたい」と述べた。
 午後には、日本医師会医学賞受賞者による「がん遺伝子RETと細胞運動制御因子Girdinの発見と機能に関する研究」(髙橋雅英名古屋大学大学院医学系研究科教授)、「健康寿命に関する疫学研究と健康寿命延伸に向けた提言」(辻󠄀一郎東北大学大学院医学系研究科教授)、「福山型筋ジストロフィーを含めた糖鎖合成異常症の系統的な解明・治療に関する研究」(戸田達史東京大学大学院医学系研究科教授)の3講演が行われた。

人材育成の重要性を強調―大村北里大特別栄誉教授

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 その後には、大村智北里大学特別栄誉教授が「北里柴三郎先生が求められたものを求めて」と題して、特別講演を行った。
 大村栄誉教授は、北里生命科学研究所に入ってから、ノーベル生理学・医学賞を受賞するまでの研究の経緯などを説明。研究に当たっては、北里先生の「予防医学を重視する」「学問研究は国利民福のためにある」との教えを胸に、実学の精神に基づいて研究を続けてきたとした。
 自身が動物に寄生しているせん虫の研究を基に企業の協力も得て、開発した医薬品「イベルメクチン」については、この薬を投与することで、(1)今ではアフリカで3億人の人が「オンコセルカ症」「リンパ系フィラリア症」などの病気から守られ、食料の増産にもつながっている、(2)日本においても、「糞線虫症」「疥癬(かいせん)」の減少が見られている―ことなどを紹介。その成果を強調するとともに、「何年かすれば、これらの病気は世界から無くなるだろう」と予測した。
 また、研究活動の他、お世話になった人々のために、予防医学を普及させるためのセミナーの開催、山梨科学アカデミーや美術館の創設、人材育成にも取り組んでいることを紹介。「育てた人達の協力によって、ノーベル生理学・医学賞を受賞することもできた」とし、人材育成の重要性を強調した。
 なお、白寿会員64名、米寿会員867名の慶祝者には、更なる長寿を祈念して、後日、銀盃が贈呈された。

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