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令和2年(2020年)10月20日(火) / 日医ニュース / 解説コーナー

資料版 新型コロナウイルス感染症対策予備費による医療機関等への更なる支援(概要)

 一次・二次補正による医療機関等支援(計1.78兆円)に加えて、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる医療機関の安定的な経営を図るとともに、インフルエンザ流行期に備えた医療提供体制を確保するため、予備費(1兆1,946億円)を活用し、緊急的に更なる支援が行われることになった。本号ではその概要を紹介する(詳細は、日本医師会発出の通知第748号を参照されたい)。

1.新型コロナウイルス感染症患者の病床・宿泊療養体制の整備(7,394億円)

 新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金を増額し、10月以降分の病床や宿泊療養施設を確保するための経費を補助する。

2.新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる特定機能病院等の診療報酬・病床確保料の引き上げ(1,690億円)

 新型コロナウイルス感染症患者の入院に係る診療報酬の更なる引き上げを特例的に行う。また、緊急包括支援交付金を増額し、手厚い人員で対応する特定機能病院等である重点医療機関の病床確保料等を引き上げる。

3.インフルエンザ流行期への備え

(1)インフルエンザ流行期における発熱外来診療体制確保支援(2,170億円)
都道府県の指定に基づき専ら発熱患者等を対象とした外来体制をとる医療機関について、体制確保のための補助を行う。また、発熱患者の電話による相談を受ける医療機関等に対して、相談に要する費用を補助する。
(2)インフルエンザ流行期に感染症疑い患者を受け入れる救急医療機関等の支援(682億円)
都道府県の登録に基づき発熱した救急患者等の新型コロナウイルス感染症疑い患者を受け入れて診療を行う救急・周産期・小児医療機関に対する支援を行う。

4.医療資格者の労災給付の上乗せを行う医療機関への補助(10億円)

 新型コロナウイルス感染症への対応を行う医療機関において、勤務する医療資格者が感染した際に労災給付の上乗せ補償を行う民間保険に加入した場合に、保険料の一部を補助する。

※現下の状況に対応した地域の医療提供体制を維持・確保するための取り組み・支援については、感染状況や地域医療の実態等を踏まえ、類型ごとの医療機関等の経営状況等も把握し、そのあり方も含め、引き続き検討する。

(参考)その他の支援

(1)医療機関の資金繰り支援等
○福祉医療機構の無利子・無担保融資等の拡充
前年から一定以上減収している医療機関の貸付限度額及び無利子・無担保融資上限を引き上げる(下線が変更点)。
対象:令和2年2月以降、前年同月と比較し、医業収入が30%以上減少した月が一月以上ある施設(該当しない施設は従来どおり)
貸付限度額:「病院10億円(従前7.2億円)、老健1億円、診療所5,000万円(従前4,000万円)」または「当該医療機関等の前年同月からの減収の12カ月分」の高い方
無利子枠:当初5年間(6年目以降0.2%)
①コロナ対応を行う医療機関
 「病院2億円(従前1億円)、診療所5,000万円(従前4,000万円)」または「当該医療機関の前年同月からの減収の2カ月分」の高い方
②政策医療を担う医療機関
 「病院2億円(従前1億円)、診療所5,000万円(従前4,000万円)」または「当該医療機関の前年同月からの減収の1カ月分」の高い方
  ※都道府県の医療計画に記載されている医療機関、在宅医療を実施している医療機関等
③ ①・②以外の施設
 病院2億円(従前1億円)まで無利子
 診療所5,000万円(従前4,000万円)まで無利子
無担保枠
①コロナ対応を行う医療機関
 「病院6億円(従前3億円)、診療所5,000万円(従前4,000万円)」または「当該医療機関の前年同月からの減収の6カ月分」の高い方
②政策医療を担う医療機関
 「病院6億円(従前3億円)、診療所5,000万円(従前4,000万円)」または「当該医療機関の前年同月からの減収の3カ月分」の高い方
③ ①・②以外の施設
 病院:6億円(従前3億円)、診療所:5,000万円(従前4,000万円)
償還期間(据置期間):15年(据置5年)
○地域経済活性化支援機構(REVIC)と福祉医療機構(WAM)との連携・協力による事業再生支援(既存経費により対応)
(2)患者の受診促進(既存経費により対応)
必要な受診や健診・予防接種の促進の広報等を行う。

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