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令和3年(2021年)7月20日(火) / 日医ニュース

病気自慢

 50歳を超えると、同窓会での話題は自分の病気自慢である。自分がどんな恐ろしい病気になって、どんなに努力をして回復したかを長々と話す。高校の同窓会は病気相談になってしまい疲れてしまう。
 その健康自慢の私が、入院を経験した。今年2月に子宮体癌(がん)の手術を受けた。ステージ1bの診断で開腹手術を受け、手術後の組織診断は1aとなり、化学療法は不要となった。
 それはありがたいことであったが、開腹術後の癒着性イレウスに悩まされた。食べると腹痛が起こるので1日1食、ミカン1個だけの日が続いた。大建中湯(だいけんちゅうとう)を飲み始めて、徐々に食べられるようになり、4月にはテニス、ランニングができるまで回復した。
 ところが、5月某日、夕方から突然の腹痛出現。どんな姿勢になっても激痛が収まらず、絞扼(こうやく)性イレウスと診断され、腹腔鏡下手術となった。
 術後3日目から流動食が始まったが、再度腹痛が起こり、三分粥へアップは中止。CT検査の結果、絞扼を解除した部位より上流の小腸が動いていない。今度は麻痺性イレウス。毎日、病院内を15分ずつ6回に分けて歩くことにした。点滴を持ちながらは格好悪いが、仕方ない。
 毎日、腹部単純写真で小腸内ガス、ニボーを認め、このまま改善しないかと思われたが、術後14日目に受けたCT検査で小腸内ガスと小腸の浮腫が少し改善と判断され、術後17日目、IVHを入れたまま退院許可が出た。
 折しもコロナワクチン接種で大忙しの当診療所は、夫(勤務医)の代診で何とか切り抜けた。

(洋)

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