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平成30年(2018年)7月20日(金) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

平成28・29年度医療IT委員会答申「日医IT化宣言2016 実現に向けた方策―地域医療連携、多職種連携のあるべき姿―」まとまる

定例記者会見 6月20日

 石川広己常任理事は、医療IT委員会が会長諮問「日医IT化宣言2016実現に向けた方策―地域医療連携、多職種連携のあるべき姿―」に対する答申を取りまとめ、6月5日に川出靖彦委員長(岐阜県医師会副会長)から横倉義武会長に提出したことを報告し、その概要について説明した。
 答申は、(1)はじめに、(2)日医IT化宣言2016実現に向けた日本医師会の取り組み、(3)地域医療連携、多職種連携のあるべき姿、(4)おわりに―からなっている。
 (2)では、前期の医療IT委員会の答申を基に、平成28年6月に公表された「日医IT化宣言2016」に対し、その実現に向けた日医の取り組みとして、①医療等分野専用ネットワーク構築に向けて②医療等ID創設に向けて③医師資格証の普及促進④ORCA 2nd Stage開幕⑤次世代医療基盤法への対応―の5項目を挙げ、提言を行っている。
 ③では、医師免許取得時に医師資格証を発行することや、更なるアナログ利用拡大のために国に働き掛けるべきであること、各地の地域医療連携ネットワークの中にHPKIの利用を明確に位置づけること、一般の方や医療関係職種への認知度向上のための広報活動を強化することなどについて提言を行っている。
 ⑤では、日医が中心となって、認定事業を行うための一般財団法人を設立する方向性が示されている他、各医師会や医療機関に丁寧に説明して協力を依頼することや、国から国民への広報、将来的に要件が緩和されて営利を追求する企業等が参入してこないよう注視することなどが必要だとしている。
 (3)では、地域医療連携、多職種連携、医療現場におけるIT化に関する問題点や課題として、①患者の同意取得②地域医療連携ネットワークの運営コスト③多職種連携におけるSNS利用とBYOD(Bring Your Own Device)④遠隔医療⑤ITリテラシーの醸成―の5項目を取り上げ、考察、提言を行っている。
 ②では、島根県の地域医療連携ネットワーク「まめネット」を紹介しつつ、コスト負担のあり方について考察。地域住民の健康を見守るための社会インフラである地域医療連携ネットワークの整備・運用には国や地方公共団体、保険者を巻き込んで事業を成立、維持させていくことが必定であると提言している。
 ⑤では、医療のIT化を進めていく上で必要不可欠なITリテラシーを醸成するための教育コンテンツを生涯教育等に取り入れることを提言している。
 石川常任理事は、今回の提言について、「一つでも多く実現できるよう、鋭意取り組んでいきたい」との考えを示すとともに、医療分野のITに関係する更なる問題として、「医療セプターで対応していくことになる標的型攻撃を始めとするセキュリティの問題」や「NDBや介護DB、MID―NETなどの公益データベースの利活用」「AIやIoTの活用」などを挙げた上で、「今後も現場の医師の考えを適切に反映できるよう、医療分野のIT化について積極的に取り組んでいきたい」と述べた。

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