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令和2年(2020年)5月5日(火) / 「日医君」だより / 日医ニュース

防護具不足の改善、抗体検査の速やかな普及を求める

 横倉義武会長は4月10日、西村康稔経済再生担当大臣、加藤勝信厚生労働大臣と相次いで会談。西村経済再生担当大臣に医療機関で防護具が不足している窮状を訴え、その改善を求めた他、加藤厚労大臣には抗体検査の速やかな普及を求める要望書を手交した。
 西村経済再生担当大臣との会談の中で、横倉会長は資料を基に、新型コロナウイルス感染症患者が急激に増加しているにもかかわらず、医療現場では防護具が不足しているために、その対応ができないところが増えていることを説明。「防護具がないままに診察を続ければ、その施設や周辺でアウトブレイクが発生し、患者さんや施設入所者、ひいては医療従事者が感染してしまうことで、医療崩壊が起きてしまう」として、理解を求めた。
 また、不足している防護具としては、N95マスクやフルフェイスシールドを挙げるとともに、それらの防護具のセットが、日医総研の試算によると、最終的には2000万セット/月(一人の発熱患者に対して最初に最低3人関わり、この状況がこれから1年間続くと想定。救急隊員や治安を維持する警察官や安全保障を担う自衛隊分も含む)必要になるとした。
 今回の要望に対して、西村経済再生担当大臣は一定の理解を示し、国としても、できる限りの対応をしたいと応じた。

200505i2.jpg 加藤厚労大臣との会談では、新型コロナウイルス感染症は現時点でワクチンも有効な治療薬もなく、更に防護具などが不足している中で、医師を始めとする医療従事者はPCR検査を担っていることを説明するとともに、採血で行う抗体検査の利点として、(1)PCR検査と比べると医療従事者の感染リスクが大幅に軽減される、(2)PCR検査と異なり、免疫獲得の確認や、集団免疫の把握等に適している―ことなどがあると指摘。
 現在、横浜市立大学を始めとする国内の大学や研究機関等で新型コロナウイルス感染症の抗体検査の開発が進められており、医薬品医療機器総合機構においては、抗体検査の速やかな普及のため、現在も迅速・丁寧な対応が行われていることを紹介し、国の更なる対応を求めた。
 また、西村経済再生担当大臣に要望したN95マスクを始めとした医療機関の防護具についても、改めて対応を求めた。
 これに対して、加藤厚労大臣は一定の理解を示し、感染拡大防止に向けて両者が協力して取り組んでいくことを改めて確認した。

 

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 横倉義武会長は4月10日、加藤勝信厚生労働大臣に「新型コロナウイルス感染症における抗体検査の速やかな普及に向けて」を提出しました。

令和2年4月10日

厚生労働大臣
加藤 勝信 殿

新型コロナウイルス感染症における抗体検査の速やかな普及に向けて
日 本 医 師 会   
会長 横倉 義武

 新型コロナウイルス感染症はワクチンも有効な治療薬もなく、さらに防護具やフェイスガードが不足している中で、医師をはじめとする医療従事者はPCR検査を行っています。

 一方、採血で行う抗体検査はPCR検査と比べると医療従事者の感染リスクも大幅に軽減されます。

 抗体検査はPCR検査と異なり、免疫獲得の確認や、集団免疫の把握等に適しています。

 現在、横浜市立大学をはじめとする国内の大学や研究機関等で新型コロナウイルス感染症の抗体検査の開発が進められており、医薬品医療機器総合機構におかれましては、抗体検査の速やかな普及のため、現在も迅速・丁寧な対応が行われていると存じますが、さらなる対応をお願いいたします。

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