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令和2年(2020年)9月5日(土) / 日医ニュース

「日本医師会かかりつけ医データベース研究事業(J-DOME)」の取り組み―生活習慣病対策に向け日本高血圧学会と連携―

「日本医師会かかりつけ医データベース研究事業(J-DOME)」の取り組み―生活習慣病対策に向け日本高血圧学会と連携―

「日本医師会かかりつけ医データベース研究事業(J-DOME)」の取り組み―生活習慣病対策に向け日本高血圧学会と連携―

 わが国の生活習慣病対策が今まで以上に重要となる中、日医は「日本医師会かかりつけ医データベース研究事業(J―DOME)」の対象疾患に高血圧症を含めることとし、本年7月30日に日本高血圧学会と連携協定を結んだ。
 J―DOMEは、かかりつけ医の診療の現状把握と情報提供を行う研究事業で、2018年に糖尿病を対象に開始しているが、このたび、日本高血圧学会の伊藤裕理事長よりJ―DOMEの仕組みを同学会で活用する提案があり、協定を締結することになった。
 これにより、日医は糖尿病と高血圧症を含む症例データの安全な運用を行うとともに、地域医師会や関連団体への協力依頼を継続し、日本高血圧学会は学会員からの症例の収集を推進する。また、J―DOMEの対象に高血圧症を加え、生活習慣病データベースとして新たに位置付けることになる。
 J―DOMEでは、診療所を中心とした地域のかかりつけ医(一部は中小病院)の協力により、年1回の症例登録を行っている。6月より今年度の糖尿病症例登録を開始しており、現在、約9000症例が集積されている。データは基本患者情報、処方、検査値の他、レセプトデータからは得られない合併症・併発症などの問診情報を含み、匿名化され安全に管理されている。
 施設別の解析結果はレポートとして協力施設に送付し、日常診療の参考にしてもらう他、症例データは地域の専門医との連携ツールとして活用できる。既にレポートを2回発行し、専門医/非専門医の患者像や処方などの分析に加え、症例研究も継続して実施している。
 わが国では、従来より糖尿病専門医など専門医の診療データは集積されてきたが、かかりつけ医の診療データの収集は遅れていた。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う生活習慣病の悪化が危惧される中、日医は日本糖尿病対策推進会議、そして日本高血圧学会と共に、生活習慣病対策のツールの一つして、J―DOMEの更なる活用を図っていく予定としている。

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