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令和3年(2021年)2月17日(水) / 「日医君」だより

第22回都道府県医師会新型コロナウイルス感染症担当理事連絡協議会

 第22回都道府県医師会新型コロナウイルス感染症担当理事連絡協議会が2月16日、日本医師会館でWEB会議により開催された。

 冒頭あいさつした中川俊男会長は期限が延長された緊急事態宣言について、病床使用率や重症患者が依然として高い状況にある中で、宣言を解除することはあり得ないと強調。今後も徹底的に新規感染者を抑え、収束への道筋がつけられるよう、政府に対して、冷静で大局的な判断を求めていくとした。

 ワクチン接種に関しては、集団接種と個別接種を柔軟に組み合わせていくことが必要とした上で、希望する全ての国民が安心して速やかに接種を受けられるよう、全国の都道府県、郡市区医師会等と共に、使命感をもって全面的に協力していく覚悟を改めて示した。

 当日は議事に先立って、猪口雄二副会長が新型コロナウイルスワクチンに関する正確な情報を会員に伝えることを目的として、「日本医師会新型コロナウイルスワクチン速報」の作成を2月16日より開始したことを報告。「日本医師会ホームページに掲載しているので、ぜひ、活用して欲しい」と呼び掛けた。

 議事では、(1)「新型コロナウイルスのワクチン接種」に関して、釜萢敏常任理事が適正使用ガイドを基に2月14日に特例承認されたコロナワクチンの用法等を詳細に解説。これに対して、都道府県医師会からは、「ワクチンを溶解してから移動させてはならないとなると在宅患者に使用できなくなる」「アナフィラキシーショックが起きた場合に医師が一人しかいない診療所で対応できるのか」といった懸念が示された他、「副反応報告の仕組みを簡単なものにして欲しい」「妊婦からワクチン接種について相談を受けた場合の対応方針などを示して欲しい」といった要望が出された。

 (2)「新型コロナウイルス感染症患者の受入病床の確保」については、まず、猪口副会長が、日本医師会が四病院団体協議会、全国自治体病院協議会と共に立ち上げた「新型コロナウイルス感染症患者受入病床確保対策会議」で取りまとめた「新型コロナウイルス感染症患者の病床確保等に向けた具体的方策」の内容等を説明。2月16日付で厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部から発出された事務連絡においても、その趣旨が反映されているとして理解を求めるとともに、「日本医師会としても支援していくので、地域の事情に応じた対応をお願いしたい」と述べた。

 今村聡副会長は受入病床確保の緊急的な環境整備として、既存の「COVID-19 JMAT保険」にはない新型コロナウイルスに感染したことをもって一時金を支払う制度をつくるとともに、本年4月を目途にその制度と「COVID-19 JMAT保険」の良い面を組み合わせた新たな補償制度を認可を得て創設する準備を進めていることを報告。その活用を求めた。

 (3)「新型コロナ感染症に関する補助制度」に関しては、松本吉郎常任理事が新型コロナ患者等の入院受入医療機関への緊急支援並びに第三次補正予算による感染拡大防止等の支援のポイントを概説。申請期限が迫っているものもあるとして注意を呼び掛けた。

 (4)「高齢者施設等における新型コロナウイルス感染症対策」については、江澤和彦常任理事が厚労省から発出された事務連絡等を基に、1.介護医療院、介護老人保健施設の従事者については、医療機関と同一敷地内にある場合は、医療機関の判断により、医療従事者等と同じ時期に接種が可能である2.介護保険施設において、医療機関から新型コロナウイルス感染症の退院基準を満たした患者を受け入れた場合には、当該者について、入所した日から起算して30日を限度として、退所前連携加算が算定可能となった―ことなどを説明。その他、県医師会からは、介護保険施設でコロナの陽性者を継続して療養させなければならなくなった場合の報酬上の評価を求める要望も出された。

 最後に総括を行った中川会長はワクチン接種が可能となったことで、新型コロナウイルス感染症に対する闘いは「守り」から「攻め」に転じることができると考えているとして、引き続きの協力を要請。更に日本医師会として、ワクチン接種の際に国民に配布できる資料を準備中であることを明らかとし、その活用を求め、協議会は終了となった。

◆映像・資料はメンバーズルーム内よりご覧いただけます。
映像配信 新型コロナウイルス感染症関係

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