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令和3年(2021年)4月20日(火) / 日医ニュース

オンライン資格確認等システムの本格稼働は10月まで延期

 社会保障審議会医療保険部会が3月26日、都内で開催され、厚生労働省事務局から、オンライン資格確認等システムの本格稼働について、10月まで延期するとの報告がなされた。
 マイナンバーカードのICチップ、または健康保険証の記号番号等によりオンラインで資格確認を行う「オンライン資格確認等システム」に関しては、本年3月下旬からの本格導入を目指して、政府、医療機関等、保険者それぞれが取り組みを進め、3月4日からは54医療機関等で「プレ運用」が開始されていた。
 そうした中で、今回、(1)医療機関等の準備が当初予定どおりに進んでいない、(2)システムの根幹となるデータの精度に問題がある―といった課題が明らかとなり、延期を決めたという。
 (1)の原因について、厚労省は、「システムベンダ側の見積もりが不明瞭なために、医療機関等のシステム改修が進まない」といった問題に加えて、「世界的な半導体不足によるパソコン調達の遅れ」「カードリーダーの生産遅れ」なども関係していると説明。一方、(2)については、保険者側の課題として、「保険者が登録した個人番号の誤り」「被保険者証の情報が未登録」「被保険者番号が不正確」といった加入者データの正確性に関する課題が生じていることが報告された。
 医療機関等では既にカードリーダーの申し込みやオンライン資格確認等用のパソコン準備を進めているところもあるが、厚労省では準備の整った医療機関等から「プレ運用」へ順次、参加してもらう考えを示すとともに、プレ運用期間中に現在、明らかになっていない問題が顕在化した場合には対策を取り、より安全かつ正確なシステムを構築するとしている。
 当日の議論において松原謙二副会長は、医療機関の準備が進んでいないことについて、「デジタル化に向けて基盤整備する必要性については理解しているが、コロナ禍にあるため、準備が遅れているところがある」として理解を求めた。
 また、同システムに関しては「10月からの本格運用を決めてしまうのではなく、あくまでも視野に入れながら、さまざまな状況に合わせて対応していくべきである」と主張するとともに、本格稼働が遅れることへの周知を要請した。
 なお、この件に関しては日本医師会ホームページのメンバールームに「相談窓口フォーム」を設置しているので、ご活用願いたい。

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