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令和3年(2021年)12月7日(火) / 「日医君」だより

第2回新型コロナウイルス感染症等に関する全国知事会と日本医師会との意見交換会を開催

 今年度2回目となる「新型コロナウイルス感染症に関する全国知事会と日本医師会との意見交換会」が12月2日、WEB会議で開催された。

 冒頭あいさつをした中川俊男会長は、平井伸治全国知事会長(鳥取県知事/新型コロナウイルス緊急対策本部長)の日頃の活動に敬意を示した上で、国の「新型コロナウイルス感染症対策本部」が取りまとめた「次の感染拡大に向けた安心確保のための取組の全体像」及び、今般全面的な改定が行われた「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」に言及。日本医師会は同全体像について、「懸念される第6波への万全の備えとして、政府が本気度を示したものと認識している」と述べ、今後も都道府県医師会、全国知事会、日本経済団体連合会等との連携を強化することで、コロナ対応に当たっていく考えを示した。

 その上で、中川会長は「前回の意見交換会でも述べたように日本医師会と全国知事会は、基本的に同じ方向を向いている」と改めて強調。「国の方針や各都道府県の保健・医療提供体制確保計画が、実効性をもって推進されていくためには、都道府県行政と都道府県医師会との強固な連携が必要であり、そのためにも、全国知事会と日本医師会によるこのような協議の場が大変重要である。行政と医師会が車の両輪となって感染症に立ち向かい、また、日本の医療の将来に尽くしていくべき」として、引き続きの協力を求めた。

 平井全国知事会長は、第5波の収束について、医療提供体制への医師会の協力に感謝の意を示した上で、コロナ禍における日本医師会の役割の大きさを強調された。オミクロン株については、「次の敵が舞台に上がってきた」と述べ、次の波があることを念頭に経済団体などとも連携しながら準備を進める必要性があるとした。

 また、ワクチンの追加接種については、ワクチンの供給量やスケジュール等に関して「全国知事会と日本医師会で同じ立場で政府に話ができるのではないか」と述べ、オミクロン株に立ち向かえる体制の確保のため、日本医師会と協力していく姿勢を示した。

 引き続き意見交換に入り、まず、内堀雅雄福島県知事(同本部長代行/同副本部長/社会保障常任委員会委員長)が、11月21日に全国知事会が取りまとめた「第6波への備えと日常生活の回復に向けた緊急提言」の内容について説明。同提言では主に、(1)日常生活の回復に向けた感染対策、(2)ワクチン接種の円滑な実施、(3)保健・医療体制及び水際対策の強化、(4)全国の事業者への支援及び雇用対策―に関する内容が盛り込まれていることなどを紹介した。

 中川会長は同提言について、まず、前文の「国民の生命と健康を守り、活力ある経済と日常生活を取り戻すため、国と一体となって全力で当たる」という記載に、「日本医師会も全く同感である」と述べた。

 その上で、第5波の急激な到来と感染者数の減少の原因、対策の効果の検証や「感染防疫を一元的・主導的に担う組織の創設」等に賛意を示すとともに、政府が示した「感染状況を評価する新たな基準」における新たなレベル分類に対し、全国知事会として新規感染者数を軽視するような誤ったメッセージとならないよう配慮を求めたことについて、強く賛同した。

 追加接種に向けた考え方では、オミクロン株の感染拡大の懸念から、「ワクチンの接種体制が整った自治体から、柔軟に、前倒し接種を進めることも考える必要が出てきた」と指摘。国に、自治体や住民が混乱しないような対応を求めていることを説明した。

 今村聡副会長は、オンライン診療について、コロナ禍でその重要性が改めて示されたとした上で、「かかりつけ医が対面診療とオンライン診療を適切に組み合わせていくことが重要」と指摘した。

 その他、死因究明推進協議会についても触れ、都道府県の役割の重要性や全国での設置状況を説明。地方協議会が設置されていない県や設置されていても開催されていない場合もあるとして、その活性化に向けた周知な どを求めた。

 釜萢敏常任理事は、政府のアドバイザリーボードでの議論内容などを説明するとともに、ワクチンの追加接種については、2回目までの接種をファイザー社製で受けた方にモデルナ社製を接種する場合が出てくるため、しっかりとした説明が必要になるとの見方を示した。

 松本吉郎常任理事は、ECMOの診療報酬上の評価等、中医協での新型コロナに関する診療報酬上の対応を紹介するとともに、ワクチンの追加接種に関して、地域の医療機関にスケジュール等をしっかりと説明する必要性を指摘した。

 村井嘉浩宮城県知事(国民運動本部長)は、日本医師会と新型コロナウイルス感染症対策の強化に向けて協力していく意向を改めて示した上で、オミクロン株による第6波に備えた準備を着実に行っていく必要性を強調した。

 内堀福島県知事は、新型コロナウイルス感染症対策において、日本医師会との連携が非常に大きな力となっているとするとともに、今後、更に連携を深化させていく意向を示した他、医師の働き方改革等においても連携していきたいとした。

 杉本達治福井県知事(全国知事会幹事長)は、福井県における第5波の分析結果を基に、「会話時のマスク着用を医師会と一緒になって国民に呼び掛けていきたい」と述べるとともに、医療負荷の軽減のため、自宅療養などでも医師会との連携を強化していきたいとした。

 最後に、総括を行った平井全国知事会長が「これからもぜひ協力をお願いしたい」と述べた他、ワクチンの接種について、一度も接種していない方へのPRを医師会からもお願いしたいと要請された。これに対して、中川会長は、本日の議論を踏まえ、「方向性がほとんど同じであることが再確認できた」と述べるとともに、オミクロン株による最悪の事態に備え、全国知事会などと密接な連携を保ち、「万が一、第6波が起こっても、その高さが極力低くなるような対応をしたい」とした。

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