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令和4年(2022年)2月20日(日) / 南から北から / 日医ニュース

思い出記録法

 1歳の孫が東京にいるが、以前なら写真を撮って送る、電話するなど、たまに連絡があるのみで、盆、正月などに会った際にその成長に驚くのが通常であったと思う。最近はスマホなどでも気軽にテレビ電話ができるようになり、もう少し成長の過程を追えるようになった。ただ、テレビ電話もお互いの都合を合わすなど少し準備が必要である。
 このように思っていたところ、家族でアルバムを共有するアプリを使うと連絡が来て、ダウンロードした。最初はまれに見るくらいであったが、徐々にその良さが分かってきた。アルバムには孫の毎日の生活の写真や動画がアップされており、自分の都合の良い時に相手にも気兼ねせずに見ることができる。また、毎日の成長がとてもよく分かる。先日まではつかまり立ちがやっとだったのが、伝い歩きができるようになった、食べ物の好き嫌いが出てきたなど、成長過程が一緒に住んでいるようにリアルタイムで伝わってくる。
 コロナの時代にこちらに里帰り出産をして、入院、出産など誰も面会も行けずに生まれ、初めて対面したのが病院の隣の契約ホテルの部屋であったことなどを思い出すと、感慨深いものがある。
 一方で最近の若者の、写真や動画の撮影方法や使用方法に感心もした。
 私達の時代は、写真はカメラ、動画はビデオ専用機を使い、準備が必要であった。それがスマホで手軽に奇麗な写真や動画が撮れるようになったのだが、日常生活の中で撮影する習慣が無かったため、何か出来事が起こったり美しい景色を見たりしても、心の中で美しいなどと思うだけで撮影するという行動に結びつかない。
 それが若者達は何かがあるとすぐにスマホを取り出し撮影する。孫の撮影もほぼ毎日行われている。これがSNS文化によるものなのかと感心する毎日である。
 YouTubeなどに素人が撮影した子どもやペットの動画が投稿され話題になると、テレビのニュース番組などにある動画コーナーで紹介され、楽しく拝見しているが、これも日常の瞬間を捉えたものが多く、常に撮影しておかないと良いものは撮れないと思う。
 撮影による記録は多くの人を楽しませるとともに、撮影された本人にとっても、自分の過去や成長を詳細に記録した良い思い出になると思う。思い出は邪魔にならないので、今後はできるだけ撮影し、記録を残そうと思う。
 一つだけアプリの難点は、家族の誰が最近写真を見たかの時間の記録が残ることで、あまり間隔が空きすぎると関心が無さそうで、短すぎると関心を持ちすぎていそうで、という取り越し苦労をしてしまうことである。この設定を解除する方法を探しているが、現時点で不明である。この変な思いが生じるのも、デジタル時代故のことなのかも知れない。

滋賀県 滋賀県医師会報 第880号より

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