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令和4年(2022年)5月20日(金) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

小児在宅ケア検討委員会答申「医療的ケア児のライフステージに応じた適切な医療・福祉サービスの提供について」まとまる

日本医師会定例記者会見 4月20・27日

 松本常任理事は、小児在宅ケア検討委員会が、会長諮問「医療的ケア児のライフステージに応じた適切な医療・福祉サービスの提供について」に対する答申を取りまとめ、3月30日に田村正徳同委員会委員長(埼玉医科大学総合医療センター名誉教授、小児科客員教授)より中川会長に提出したことを報告し、その概要を説明した。
 答申は、「A.家族への支援」「B.相談支援の課題と対応」「C.『協議の場』への医師会の参画」「D.新型コロナウイルス感染症に関わる課題・要望」「E.小児在宅におけるICT及びWebの活用」「F.保育所、学校等における医療的ケアの実施」「G.移行期医療に関する課題と対応」「H.チャイルド・デス・レビューからみえる問題、対応策の啓発」「I.こども家庭庁と医療的ケア児支援法」で構成されている。
 Aでは、ケアを担う家族の負担の大きさに触れた上で、障害福祉サービス報酬改定によって退院直後からの居宅介護が制度的には利用しやすくなったものの、市町村レベルではその改定が浸透していないことを指摘。医師会に対して、障害福祉サービスの利用に当たって必要な医療的ケア判定スコアの会員への周知とともに、訪問診療の際に、きょうだい児の予防接種や健診も一緒に行うことが全ての自治体で認められるよう、働き掛けることを要望している。
 Bでは、福祉サービスの利用計画を保護者が作成する「セルフプラン率」が高い状況の背景に、相談支援専門員数の少なさがあるとして、各都道府県には養成を、医師会へは医療的ケアに関する研修会の実施を求めている。
 Cでは、医療的ケア児の問題に関して、保健・医療・福祉・教育・保育などの関係者が集まる協議の場について、都道府県では多くの都道府県医師会が参画しているものの、市町村・圏域ごとでは郡市区医師会の参画が少ない状況であるとして、積極的な参画を呼び掛けている。
 同常任理事は、「昨年9月に施行された『医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律』において、保育所、学校等における医療的ケアの実施がうたわれている。もちろん、受け入れるのは市町村や教育委員会等が中心となるが、ガイドラインの策定に医師会が関わったり、各学校でも『医療的ケア安全委員会』が設置されることを踏まえて、各地域の医師には学校医や主治医として協力をお願いしたい」と述べ、理解を求めた。

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