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令和4年(2022年)5月25日(水) / 「日医君」だより

日本医師会総監修『健康食品・サプリ[成分]のすべて』が刊行

 この度、日本医師会・日本歯科医師会・日本薬剤師会が総監修した『健康食品・サプリ[成分]のすべて〈第7版〉 ナチュラルメディシン・データベース日本対応版』が刊行された。

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 いわゆる「健康食品」・サプリメントについては、かねて情報が氾濫し、また、実際に多様な製品が販売されてきた。更にコロナ禍において、エビデンスが不確かにもかかわらず、感染の予防効果等を示すものも世の中に出回った。

 他方、「健康食品」には、患者さんが服用している医薬品との相互作用を起こすものがある。「健康食品」の摂取によって、医薬品の効果や副作用の増強・減弱が起これば治療の妨げとなる。場合によっては、大変な事態にもなりかねない。

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 日本医師会員の先生方は、地域の方々の身近なかかりつけ医として、健康食品による健康被害を受けた患者さんを診療するケースもあり得る。また、平成27年度より、食品の新たな機能性表示制度が開始され、「医薬品を服用している場合は、医師、薬剤師に相談して下さい」との文言が義務表示とされているように、患者さんから相談を受ける機会が増えてくると思われる。

 先般、日本医師会が取りまとめ、全会員に配付した「国民の信頼に応えるかかりつけ医として」では、「患者さんに、いつでも、なんでも相談していただけるよう、しっかりとコミュニケーションをとって診察します。」と謳っている。住民や患者の方々から「健康食品」やサプリメントに関する相談を受け、対処することもかかりつけ医機能の一つと言える。

 本書『健康食品・サプリ[成分]のすべて』は、世界中の研究者が「健康食品」・サプリメントに関する文献を系統的にレビューした成果をまとめた米国のデータベース"Natural Medicines"を基にしている。本書を用いることで、患者さんからの健康食品の質問に対し、ウェブ上に氾濫する情報を吟味する時間を取られることなく、迅速かつ的確なアドバイスが可能となる。

 更に、日本医師会員の先生方は、その基本データベースのWEB版を無償閲覧できるようになっているので、書籍と共にぜひ、ご利用頂きたい。
「健康食品のすべて」ナチュラルメディシン・データベース(日本医師会メンバーズルーム内)
(※上記はメンバーズルーム内のためアカウントが必要となります)

 また、今般、"Natural Medicines"に基づく「薬とサプリの相互作用チェッカー」がWEBアプリとしてリリースされた。

 相互作用チェッカーでは、薬の名称(一般名)と健康食品・サプリ(ハーブ、野菜、果物、嗜好品を含む)の素材や成分の名称を検索し、注意が必要な飲み合わせ(相互作用)を調べることができる。

 無料版では、相互作用の有無が分かるにとどまるが、既述の日本医師会員向けの無償閲覧サービスを併用することで、より有効に活用できるようになっているので、併せてご活用頂きたい。

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<関連ページ>
「健康食品」・サプリメントについて

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