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令和6年(2024年)3月6日(水) / 「日医君」だより / プレスリリース

令和6年能登半島地震に対する日本医師会の対応について

 松本吉郎会長は3月6日の記者会見で、令和6年能登半島地震発災から2カ月以上が経過したことに触れ、JMATの派遣状況や今後の課題、被災された医療機関及び医療従事者への支援金の受付状況を説明した。

 JMATの現況については、被災地の医療機関の復旧など現地のニーズ変化を踏まえ、2月末をもってJMATの必要数を半分程度の15チームとしているが、金沢以南の避難所の方々が3月16日の北陸新幹線延伸に伴い能登北部に戻ること(「3.16問題」)を考えると、医療ニーズも変化することが考えられるため、「石川県医師会と連携を取り、支援のあり方について中長期の計画を立てながら、被災地の医療が復旧するまで、息の長い支援を続けていく」と述べ、引き続きの支援と協力を依頼した。

 続いて、日本医師会が協力を求めていた被災された医療機関及び医療従事者への支援金(受付は2月29日で締め切り)については、全国の医師会並びに会員、また、ホームページを通じて呼び掛けを行ってきた国民の方々から総額で5億円を超える支援金が寄せられたことを報告。感謝の言葉とともに、迅速に被災地に届けていく意向を示した。

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 引き続き報告を行った細川秀一常任理事は、まず、JMATの派遣状況について、3月4日時点で1日当たりのチーム数、派遣者数は延べ、2,772チーム、9,627名となっているが、その中には撤収チームと引き継ぎチームが重なっているケースや、日本災害医学会のコーディネーションサポートチーム、統括JMAT、ロジスティクスチームが含まれていることなどを説明。また、能登北部の交通事情及び宿泊先確保などの状況が改善されてきたことにより、JMAT能登北部調整支部を穴水町から輪島市に移転し、輪島市及び珠洲市を中心に活動範囲を広げ、DMAT隊員中心の「重装JMAT」ではなく、標準的なJMATによる活動を継続しているとした。

 被災地の診療所に関しては多くが診療を再開しているものの、診療場所を変えたり、医療機器の修繕や更新が必要な状況であることから、震災前の状態に戻るには相当の期間と支援が必要であるとの見方を示した。

 更に、看護職員、事務職員の不足に関しては、JMATの中から看護職員等を派遣するなど、診療所の診療継続に向けて地元の医師に寄り添った支援を行っているとした他、震災当初には診療継続を一度断念された先生方も、JMATの支援により再開を志すことになった事例もあることを紹介した。

 能登北部の被災地復旧に当たっての懸念事項としては、いわゆる金沢以南の避難所を閉じるという「3.16問題」を挙げ、「どの程度能登北部に戻り、いかなる医療及び健康管理のニーズが生じるか分からない状況にあるが、被災地の医療機関や石川県医師会、能登北部医師会・七尾市医師会・羽咋郡市医師会など地元医師会がこれらの方々をどう支えていくかを見極め、柔軟かつ中長期的な支援を考えていく必要がある」と述べるなど、引き続き、JMAT調整本部と能登北部・能登中部・金沢以南の各支部との情報共有の上、全体の統括医師らと協議を重ねていく方針を示した。

◆会見動画はこちらから(公益社団法人 日本医師会公式YouTubeチャンネル)

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