日医ニュース 第961号(平成13年9月20日)

「205円ルール」問題で
厚労省が資料提出
(中医協)


 毎日新聞が,「外来薬剤費水増し請求横行か」のタイトルで七月十六日付朝刊に報じた記事については,内容があまりにも恣意的かつ不適切であったため,日医として記者会見を開催するとともに,毎日新聞社宛に質問状を送付したところである(日医ニュース八月五日号九月五日号参照).
 このようななかで,八月二十八日に開催された中央社会保険医療協議会(以下中医協)総会において,厚生労働省事務局より「二百五円ルール」に関する資料が示された.これによると,レセプトにおける薬剤の無記載および記載に関係なく,安い薬の使用頻度が高くなっていることがわかる.また,無記載および記載に関係なく,同じような折れ線グラフになっているということは,無記載だからといって,医師が故意に高い方へシフトして請求しているのではないことを示している.これは,つまり,二百五円ルールのもとで,医師が安い薬を使って高く請求しているという毎日新聞の報道は誤りであるということを示すものであり,このことが中医協という公の場で証明されたわけである.

 この件に関して菅谷忍常任理事は,「二百五円ルールのなかで不正請求をするということはまったく考えられない.たとえそのようなことがあったとしても,直ちに発覚することであり,不正のままで何カ月も請求が通ることはあり得ない.毎日新聞はきわめて意図的に悪意の姿勢を固持している.取材を要求してきているが,その前に紙上で訂正をするべきだ」とコメントしている.


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