医師のみなさまへ

日本医師会長からの挨拶

  •  令和4年6月に第21代日本医師会会長に就任いたしました松本吉郎です。

     わが国はもとより世界中のすべての人々、そして医療関係者は、足かけ3年に及ぶ新型コロナウイルスとの闘いで多くの犠牲を払い消耗していく中にあっても、さまざまな模索を続け、ポストコロナの新しい時代に向けて一条の光を見いだし、希望へと繋げてきました。こうした時代の大きな転換点に際して、日本医師会長という社会的に極めて重要な職責を担わせていただくことに、改めて責任の重さを実感しております。

     今さら申すまでもなく、医療は患者さんやそのご家族と医師を始めとする医療提供者との厚い信頼関係を礎として成り立つものです。この信頼関係を育み、さらに大きくしていく過程こそが、医療の実践に他なりません。私は日本医師会長として、また一人の医師として、何よりもまず患者さんと医師をはじめとする医療提供者の間の信頼関係に根ざした医療のあり方を今一度確かなものとして築き直して参る所存です。

     日本医師会が社会の中で果たすべき役割は、「国民の健康と生命を守る」ことにあります。その役割を全うするためには、会員はもとより全ての医師、医療従事者の皆さんの理解と協力、そして国をはじめとする関係機関との連携が不可欠です。その過程では、国民皆保険を守り、わが国の医療提供体制を盤石なものとするためのさまざまな施策を、学術専門団体としての知見に基づき積極的に発信して参ります。

     日本医師会はこれからも地域の医師会と協力し、誰からも信頼を寄せていただける医師会となるよう努めるとともに、医療を取り巻く環境が如何なる状況になろうとも、国民の健康と生命を守ることを最優先の目標に据えて活動していくことをお誓いいたします。

     どうぞご支援・ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

第21代 日本医師会長

松本 吉郎

(まつもと きちろう)

令和4年6月