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平成29年(2017年)1月5日(木) / 日医ニュース

アマチュアの厳しさ

 ゴルフの楽しみの一つに、全く異なる分野の達人と一緒にラウンドできることがある。
 これまでにも政治家、有名な歌手の方などとラウンドしたことがあるが、最近その道では御高名であるらしい、アマチュア野球の審判を50年以上されているという70歳代の先輩とゴルフを共にした。都市対抗野球の審判が主な仕事で、メジャーリーグの先駆けとなった野茂投手のジャッジも経験したとのことだった。
 ハーフが終わり昼食を共にしながら、最近話題のプロでしか採用されていないcollision rule(衝突ルール)などの話を聞いていたが、その中で最も印象に残ったのはプロの審判よりアマチュアの方が厳しいということだった。
 なぜならプロ野球のペナントレースはリーグ戦なので、たとえミスジャッジをしても大勢への影響は少ないが、アマチュアの試合は高校野球にしろ実業団の都市対抗野球にしろトーナメント戦なので、負けたら終わり。その勝敗がミスジャッジに依(よ)るものであったならその選手の人生を変えてしまうという重い責任を背負ってきたとおっしゃるのである。
 プロの方が厳しいのではと思っていた私にとっては目から鱗(うろこ)が落ちる思いであった。
 さて、午後のラウンドとなり10番ホールのオナーの私は先輩方にお先に失礼と言ってドライバーを打ったが、残念ながら左へOBの様子。「ファー」というキャディーさんの声を聞きながら唇を嚙み締め「暫定球を打ちます」と3打目となるティーショットを打った。
 ゴルフはプロよりアマチュアが良い。何回打ち直しをしても人生を左右するようなことにはならないから。

(がんこ親父)

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