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平成29年(2017年)10月5日(木) / 日医ニュース

第22回核戦争防止国際医師会議世界大会に出席

閉会式であいさつする横倉会長

閉会式であいさつする横倉会長

 第22回核戦争防止国際医師会議(IPPNW)世界大会がイギリスのヨーク大学で9月4日から6日を会期として開催され、33カ国約400名が参加した。
 本大会には、横倉義武会長がIPPNW日本支部(JPPNW)代表支部長・日医会長・世界医師会(WMA)次期会長として出席。温泉川梅代常任理事はJPPNW支部長である平松恵一広島県医師会長を始めとする広島県医師会代表団と共に全日程の会議、イベントに参加した他、広島原爆被災の展示にも関わった。
 JPPNWはまた、「放射線の健康への影響:科学とその先に」をテーマにワークショップを主催した。
 閉会式にオーストリアのトマス・ハイノツィ国連大使等と共に臨んだ横倉会長は、あいさつで、世界が核兵器の廃絶、核実験の廃止を求める中、9月3日に核実験が行われた事実があったことにも言及。WMAもまた長年にわたり核兵器の使用を非難していること、2015年モスクワ総会で採択された声明では、核実験の廃止を強く求め、核兵器廃絶に向けて努力するよう自国の政府に働き掛けることを加盟各国医師会に要請していることを説明した。
171005f2.jpg また、10月に就任するWMA会長として、核兵器の廃絶に向けたメッセージを強く、そして広く、あらゆる場面において訴えていく意向を表明した。
 その他、日本では広島市、長崎市で毎年被爆犠牲者を慰霊し、平和を祈念する式典が開催されているとし、平和記念式典における子ども達、被爆者、被爆者の家族の声を伝えた。
 なお、本大会では、「ヨーク宣言」を採択し、全ての人々に平和と健康が達成され、常に核兵器が廃絶された世界になるようIPPNWとして継続的に関わっていくことを約束することが確認された。

キーワード:IPPNWとは
 International Physicians for the Prevention of Nuclear Warの略。核兵器廃絶と核戦争防止を共通の目標として活動する医師組織連盟であり、特定のイデオロギーや政党の影響を受けないことを信条とし、核戦争の脅威に対して、医療の専門家としての影響力を行使し、正しい知識の普及に努めており、現在、世界64カ国に数十万人の医師、医学生、医療従事者などの会員を擁している。
 日本支部は1982年に創設され、各地の医療団体がIPPNWの活動をしているが、昨今、世界における核バランスが大きく変化していることを踏まえ、医師による核兵器廃絶への活動を、まずはわが国で更に活発化させるため、2017年5月に横倉義武会長が日本支部代表支部長に就任した。

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