閉じる

平成31年(2019年)4月4日(木) / 「日医君」だより / プレスリリース

日本医師会・民間病院台湾医療・福祉調査団 報告書「地域包括ケアに取り組む台湾医療―大病院が在宅医療に進出・重要な医師会の役割―」について

 今村聡副会長は4月2日の記者会見で、自身が団長として参加した「日医・民間病院台湾医療・福祉調査団」が報告書「大病院が在宅医療に進出・重要な医師会の役割」を取りまとめたことを報告し、その内容を説明した。

 同医療・福祉調査団は、医療関係者と学者の10名程度で組織され、平成20年からフランス・ドイツ・イギリスを中心に各国の医療・福祉の実態を把握するため、毎年1カ国への訪問調査を実施しているが、平成22年からは、日医からも支援を行っているものであり、今回は初めてのアジア地域への訪問となった。

 日本同様に少子高齢化が進んでいる台湾では、日本の医療保険制度や介護保険制度を参考に1995年に国民皆保険制度を確立。医療情報のIT化やその活用体制、高齢化への対応など、現在では日本が学ぶべき点も多いことから、台湾の医療・福祉の実態を把握することを目的として今回の調査は行われたものであり、2018年5月2~5日の日程で、台湾各地に所在する医療機関等を訪問した。

 報告書は、(1)調査団の総括について、(2)調査団名簿、(3)日程表、(4)報告書(各調査団員による報告書)、(5)質疑応答資料、(6)訪問先説明資料、(7)講義資料―により構成されている。

 その中では、日本を追いかけるように少子高齢化が進んでいる台湾において、日本の先行事例を参考に病院が中心となった地域包括ケアシステムが構築され、機能していること、また、在宅における関係者間の連携を進めるためのIT化も日本に比べて数段進んでいることなどを紹介。「台湾の経験から学ぶべき点は数多くあり、今回の調査を契機として、台湾と日本の医師会関係者の交流が進むことに期待する」とまとめられている。

 同副会長は、「日本と同様に少子高齢化が進展している台湾では、入院医療から在宅医療そして在宅介護にシフトしていこうとしているが、日本と同様に地域包括ケアシステムの構築に取り組んでおり、地域包括ケアシステム先進国の日本を参考に、より良い制度を構築しようという強い意思が感じられた」と今回の調査を振り返るとともに、「医療・福祉には世界共通の課題と、また歴史、風土、宗教等、その国独自の課題があることを認識しながら、お互いに学びあい、これからの医療・介護に生かしていくことが重要」との考えを示した。

戻る

シェア

ページトップへ

閉じる