閉じる

令和元年(2019年)5月20日(月) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

がんゲノム情報等の集約に向けた取り組みに対する日医の見解

日医定例記者会見 4月17・25日

 横倉義武会長は、昨年12月にがん遺伝子パネル検査2品目が薬事承認されるなど、がんゲノム医療の実装化に向けた取り組みが進んでいることを受けて、第2回がんゲノム医療推進コンソーシアム運営会議(3月8日開催)の議論を踏まえた、がんゲノム情報等の集約に向けた取り組みに対する日医の考えを説明した。
 がんゲノム医療推進コンソーシアム運営会議は、昨年8月にわが国のがんゲノム医療に関するゲノム情報等の集約、管理、利活用の他、質の確保がなされた検査の実施、新たな治療・診断法の創出などについて検討する場として立ち上げられた会議であり、(1)パネル検査の実用化、(2)ゲノム情報等の集約、(3)ゲノム検査に基づく治療の推進、(4)更なるがんゲノム医療の発展―の4分野に取り組んでいくことが決定されている。
 横倉会長は、まず、①近年のがん医療の発展により治療成績が向上し、特に、がんの組織を用いた遺伝子検査の結果に基づき最適な治療を提供するという「がんゲノム医療」が推進されている②その中でも、複数の遺伝子を一括で検査することのできるがん遺伝子パネル検査は、がんゲノム医療の一つとして、その保険適用が期待されている―ことなどを紹介。
 また、現在、これらのがんゲノム医療の推進のあり方については、検査によって判明したがんゲノムの元データを患者本人の同意を得た上で、がんゲノム情報管理センター(C―CAT)に登録すること、そして将来的には、ゲノムデータを用いた医学研究の成果から新しい医療技術を生み出し、患者に還元していくことの重要性について、同運営会議等においても検討が進められているとした。
 その上で、横倉会長は「日本人に最適化されたゲノム医療を提供するためにも、国民のゲノム情報がわが国に蓄積され、国民のために利活用されることが大変重要である」と指摘。今後は、わが国における診療に用いられたゲノム検査の結果が、結果レポートだけではなく、元データも含め、C―CATに適切に提出されるよう、国、専門医療機関、企業等の関係者が協力し、医療保険上の取り扱いや必要な法整備等に取り組むことを強く求めた。

戻る

シェア

ページトップへ

閉じる