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令和元年(2019年)7月5日(金) / 日医ニュース

「受動喫煙防止法制化の先を見据えて」をテーマに

「受動喫煙防止法制化の先を見据えて」をテーマに

「受動喫煙防止法制化の先を見据えて」をテーマに

 「2019年世界禁煙デー記念イベント」が世界禁煙デー当日の5月31日、「受動喫煙防止法制化の先を見据えて」をテーマとして、日医会館小講堂で開催された。
 本イベントは、世界禁煙デーをアピールするとともに、専門家を招いて民間の力で何ができるのか情報を共有し、受動喫煙のない日本を目指すことを目的として行われたものである。
 冒頭あいさつした横倉義武会長(羽鳥裕常任理事代読)は、「国民の健康増進を一層図るためにも、東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機として、たばこ対策を更に強化していくことが必要だ」と指摘。「日医としても、わが国におけるたばこ対策を一歩でも前に進めるため、国民を始め関係者の理解を得ながら、取り組みを進めていきたい」と述べた。
 小池百合子東京都知事は、『受動喫煙防止条例』制定までの各団体の協力に感謝の意を示した上で、引き続き条例の内容の周知に努め、受動喫煙防止に対する都民の意識を高めていくとした。
 その後のシンポジウム「民間によるたばこゼロ社会の実現を目指して」では、三つの講演が行われた。
 尾﨑治夫東京都医師会長は今年4月18日に21の企業の参加を得て、「禁煙推進企業コンソーシアム」を設立したことを報告。将来的には参加企業を50~100社に増やし、各企業間で情報共有を図ることで禁煙活動を強化していく考えを示した(写真)
 藤澤武彦ちば県民保健予防財団理事長は、千葉県内でCOPDに着目した肺がん検診を実施してきた結果を紹介。「検診の精度も高まり、がんの発見率も高まった」として、その意義を強調した。
 また、千葉市における受動喫煙の防止に関する条例制定までの経緯を説明し、今後の課題として、加熱式たばこや屋外での喫煙への対応を挙げた。
 田淵貴大大阪国際がんセンターがん対策センター疫学統計部副部長は、成人の約10%が既に新型たばこの使用を始め、これまでのたばこ対策が後退傾向にある日本の現状を危惧。「新型たばこは、紙たばこより有害物質の量が減っているだけで病気になるリスクが減っているわけではないこと」を理解してもらうことが必要だと指摘した。
 その後の特別発言では、岡本光樹東京都議会議員が禁煙の取り組みを進めるためにも、今後は、施設の禁煙化や禁煙外来の治療費に対して補助金を出すべきとした他、住宅内での禁煙対策が重要になると指摘。望月友美子日本対がん協会参事は、「子ども達を完全にたばこから守る社会を実現することが、大人にとってのたばこゼロへの早道だ」として、その実現に向けた協力を呼び掛けた。

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