日本医師会は世界禁煙デーである5月31日、東京都医師会と共に東京タワーで2025年「世界禁煙デー」イベントを開催。東京タワーをイエローグリーンにライトアップした。
今回のイベントは全国各地で行われているイエローグリーンキャンペーンに賛同する形で行ったもの。イエローグリーンという色には「受動喫煙をしたくない、させたくない」という思いが込められている。
当日はまず、抽選で当選した約30名の中学生の参加の下に、望月友美子日本禁煙学会理事/新町クリニック産業保健統括部長による禁煙啓発セミナーが行われた。
望月部長は紙巻きたばこを吸う人は減ってきてはいるものの、(1)40、50代の喫煙率は依然として高い、(2)1989年と比較して男性の喫煙率が半減する一方、女性はあまり減っていない、(3)加熱式たばこの使用者が増えている―ことなどを説明。たばこはがんの原因にもなるなど、百害の元だとして禁煙を呼び掛けるとともに、今後は子ども達などリスクが高い人達を守るための規制や、禁煙は社会防衛にもつながるという意識を高めることが必要になるとした。
その後の質疑応答では、中学生から「そもそもたばこを販売しないという選択肢はないのか」「なぜ、たばこを大麻などと同じように規制しないのか」といった現状を問題視する質問も出された。
引き続き、「すすめよう禁煙!川柳コンテスト」の表彰式が行われた。
本コンテストは一人でも多くの方々にたばこの害について意識してもらうことを目的として、「禁煙の重要性やたばこの害」をテーマとして今年初めて行ったものである。高校生以上の一般部門には2万8068作品が、中学生以下のジュニア部門には1196作品の応募があった。
表彰式の冒頭あいさつを行った松本吉郎会長は国民向け小冊子『禁煙は愛』の作成など、これまでの日本医師会の取り組みを紹介。今後も禁煙活動を推進していく意向を示した。
続いてあいさつした尾﨑治夫東京都医師会長は自身が25年以上も禁煙活動に取り組んでいる他、東京都が都道府県で一番低い喫煙率となっていることなどを説明。「今後も今回の川柳の受賞作品を活用し、禁煙啓発を進めていきたい」とした。
その後は、主催者からそれぞれの部門の入選者に表彰状と目録を授与。最後に今回のコンテストの審査員を務めた16代目川柳・尾藤川柳先生(川柳公論社主宰)が「皆さんのさまざまな思いを感じながら選考ができてうれしかった」と講評を行った。
引き続き点灯式が行われ、松本会長と尾﨑東京都医師会長がボタンを押して、東京タワーをイエローグリーンにライトアップし、イベントは終了となった。
日本医師会では今回のイベントの他、禁煙週間〔5月31日(土)から6月6日(金)〕の期間中、東京タワー下のフットタウン2階通路スペースにて禁煙に関する啓発掲示を行い、多くの人達に禁煙の重要性を伝えた。
第1回「すすめよう禁煙!川柳コンテスト」 入選作品 (敬称略、雅号表記も含む。カッコ内の数字は応募時の年齢) |
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【一般部門】
日本医師会長賞 タバコより一緒にいたい人がいる 愛知県・仲川暁実(28) 東京都医師会長賞
禁煙に効くワクチンは思いやり 千葉県・しーしー(53) 審査員特別賞
なぜモテる実はタバコをやめただけ 東京都・電気石(54) 朝日新聞社賞
ぼく5歳パパも禁煙5周年 東京都・たくママ(43) 【ジュニア部門】
日本医師会長賞 あと一本伸びるその手をぼくつなぐ 石川県・ひろ(10) 東京都医師会長賞
電子でもたばこはたばこ不健康 東京都・山崎怜美(11) 審査員特別賞
きんえんははいよろこんでおとうさん 熊本県・石田純麗(8) 朝日新聞社賞
えんとつがもくもくしてるパパのくち 兵庫県・吉川智貴(8) ![]() |
お知らせ |
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2025年「世界禁煙デー」イベントの模様は下記にも掲載していますので、ぜひ、ご覧下さい。 日本医師会公式YouTubeチャンネル 「すすめよう禁煙! 東京タワーをライトアップ!」 URL:https://www.youtube.com/shorts/CTo5Ul1De-A 朝日新聞社特設サイト URL:https://www.asahi.com/ads/202505nihonishikai/ 日本医師会ホームページの第1回「すすめよう禁煙!川柳コンテスト」のページには、日本医師会長賞(一般部門・ジュニア部門)を受賞した作品ポスターのデータも掲載していますので、ご活用下さい。 ポスター掲載ページ:https://www.med.or.jp/people/info/people_info/012208.html |