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令和2年(2020年)4月23日(木) / 「日医君」だより / プレスリリース

新型コロナウイルス感染症に関する日医の対応について(1)

 横倉義武会長は4月22日の定例記者会見で、4月7日に政府から緊急事態宣言が発令されてから約2週間が経過したことを受けて、直近の日医の活動について説明した。

 横倉会長はまず、4月18日にアカデミアの立場から臨床現場における治療面での信頼できる情報を共有することを目的として、「COVID-19医学有識者会議」が発足したことに触れ、政府に設置されている「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」は主に疫学的、公衆衛生学的視点から議論されているが、「COVID-19医学有識者会議」は主に臨床の観点からエビデンスのある提言を行い、現場の支援を行うものであり、対立するものではなく、まさに「車の両輪」であることを説明。政府の専門家会議に参加している釜萢敏常任理事の発言がより重みを増すためにも、臨床上のさまざまな知見を共有する意義は大きいとの考えを示した。

 続いて、4月20日には加藤勝信厚生労働大臣と面会し、「新型コロナウイルス感染症の患者 特に重症患者の受け入れ病床確保に向けて」の要望書を手交し、窮状を訴えたことを報告。

 この要望書は、4月15日の会見で紹介した、日本心臓血管外科学会の有志の心臓血管外科医より出された嘆願書を踏まえたものであり、新型コロナウイルス感染症重症患者を診るため、特にICUさらに急性期病床の増床と加算、また、そこに従事する医師、看護師、臨床工学士の増員と待遇改善が喫緊の課題であるとしている。

 併せて、「感染患者の病床を確保する目的でとりわけ外科系の診療科に緊急を要しない手術の延期要請」、「N95マスクや感染防護服の早急な補充」の2点についても要望を行ったことを説明した。

 更に、全国医学部長病院長会議が発表した「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の医療実施に関する声明」の趣旨に、日本医師会としても賛同する考えを示した。

 また同日には、梶山弘志経済産業大臣に、新型コロナウイルス感染症の診療における必需品等の国内生産を支援するため、「日本物づくり企業合同対策本部(仮称)」の設置を求める要望書を提出した上で、電話会談を行ったことを報告。

 医療現場における、「サージカル、N95等の医療用マスク」や「フェイスシールド、ガウン、手袋等の防護具」は未だ危機的な状況にあり、国民の生命と健康に直結する医薬品・医療機器や衛生用品等は国内生産で需給できる体制が必要であることから、政府において「日本物づくり企業合同対策本部(仮称)」を設置し、新型コロナウイルス感染症の診療における必需品等の国内生産を支援するよう要望したことを明らかにした。

 これに対して、梶山経済産業大臣からは協力して対応を行っていく意向が示された他、都道府県へ送付後の流通状況の把握など、きめ細やかな対応が必要であるとの認識で一致。日医として、会内の事務局内に「医療物資プロジェクトチーム」を設置・発足し、4月21日に経済産業省と事務レベルのテレビ協議を開催したことを報告した。

 今後、厚生労働省、経済産業省、医師会で連絡を密に連携を行いながら、地域における医療用衛生用品等の状況を把握するとともに、医療の現場と産業界の連携を強化するための仕組みを検討していきたいとした。

 最後に横倉会長は、感染者の急激な増加により、院内感染の件数も増えつつある中、院内感染を起こさないための工夫についても言及し、今までの事例を元に検証し、原因の究明を進め、迅速な対策を取ることが、医療崩壊を防ぐために最も重要であるとの考えを示した。

新型コロナウイルス感染症

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