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令和2年(2020年)5月20日(水) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

感染を疑う患者に対する救急医療に関する見解を示す

日医定例・臨時記者会見 4月22・28日

 釜萢敏常任理事は、今般、発熱や呼吸器症状等の新型コロナウイルス感染症を疑う症状を呈している救急患者の搬送先の選定に時間を要する事例が発生していることを踏まえ、新型コロナウイルス感染症を疑う患者に対する救急医療体制に関する、日医の見解を説明した。
 同常任理事は、厚生労働省から各都道府県に対して3月26日付で発出された通知「新型コロナウイルス感染症の患者数が大幅に増えたときに備えた入院医療提供体制等の整備について(改訂)」に基づき、各医療機関ではその体制整備に努めてきたことを説明した上で、4月18日付で厚労省から新たに発出された通知「新型コロナウイルス感染症を疑う患者に関する救急医療の実施について」について言及。「救急患者の受け入れの要請があった際には新型コロナウイルス感染症が疑われる場合においても院内感染対策等を講じ速やかに受け入れること」とされていることに対して、「既に医療現場では救急患者が全てコロナウイルスに感染している前提で対応しなければならず、各医療機関にはさまざまな戸惑いがある上に、防護具等の物資が確保できないなど、院内の体制整備が満たせない困難な状況の中で、このような通知が出されれば、これまで行っていた救急搬送の受け入れはとてもできないとの判断が広がり、現場に更なる混乱を招く恐れがある」と指摘。厚労省に対して、現場の状況も踏まえた適切な事務連絡を改めて発出するよう強く求めていることを明らかにした。
 今後については、各医療機関では新型コロナウイルス感染症患者に加えて、それ以外の疾病の患者も多数存在することから、各医療機関の役割について各地域でしっかりコンセンサスを形成し、分担を明らかにした上で、それぞれの役割に応じて力を尽くすことが重要になるとするとともに、その体制整備のためにも行政からの支援が必要であると改めて強調した。

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