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令和2年(2020年)4月27日(月) / 「日医君」だより

第9回新型コロナウイルス感染症担当理事連絡協議会

 第9回都道府県医師会新型コロナウイルス感染症担当理事連絡協議会が4月24日、テレビ会議システムを利用して、日医会館で開催された。

 冒頭あいさつした横倉会長は、国民の健康と生命を守り、医療現場の負担を少しでも軽減するためには、国民一人ひとりの今後2週間の行動が重要になると指摘。都道府県医師会に対しては、外出の自粛や、いわゆる「3つの密」を避けてもらうための行動変容などについて、改めて国民に対する積極的な呼び掛けを求めた。

 議事では、まず、釜萢敏常任理事が(1)新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が4月22日に公表した「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」、(2)地域外来・検査センターや宿泊療養施設における検体採取は、医師の具体的な指示があれば、看護職員や臨床検査技師でも行えること、(3)加藤勝信厚生労働大臣の強い意向により、軽症患者であっても、宿泊療養を基本とすることになったこと―等について説明。その他、民間の企業による法人向けPCR検査キットの販売について、医療現場に大きな混乱を招く恐れがあるとして、強い懸念を示した。

 宿泊療養に関して、大阪府医師会は子育て等の家庭の事情がある場合に保育所の活用などを行えるよう、国に働き掛け求める意見が出された。

 石川広己常任理事は、「COVID-19 JMAT」の派遣状況や、日医、東京都医師会、日医総研の協力による「PCR検査用『ボックス型検査システム』」を自身が見学してきたことを報告。今村聡副会長は、前回の本協議会で保険期間等の見直しが求められたJMAT活動に関する保険について、引き続き交渉していくとするとともに、都道府県医師会に対しては、国の交付金や厚生労働省関係事務連絡を説明し、保険料を経費として負担するよう、行政と協議することを求めた。

 複数の医師会から、JMATのスキームと医師会による宿泊療養への医師等の派遣やPCR検査外来との関係について意見が出されたことに対しては、石川常任理事が、「実際に活動する医師を守ることが第一であり、自治体との交渉の中で、一番良い方法で対応して欲しい」と要望した。

 羽鳥裕常任理事は、会内の公衆衛生委員会、予防接種・感染症危機管理対策委員会の委員等の協力の下、『新型コロナウイルス感染症外来診療ガイドライン』を作成中であり、完成次第、日医ホームページに掲載予定であることを報告し、その活用を求めた。

 松本吉郎常任理事は、当日開催された中医協において了承された「在宅時医学総合管理料」などの柔軟な運用を認める臨時的な対応などを概説。各種健診等の対応に関しては、「引き続き、学校医、産業医等が現場で混乱しないようにしていく」とした他、今回実施することが決まった「認定産業医・健康スポーツ医制度の更新に関する特例措置」については、「会員の先生方が不利になることのないようにすることが今回の趣旨である」とした。

 東京都医師会からは、PCR検査に関して、院内感染が広がっていることを踏まえ、入院患者全員に保険で検査を実施できるようにするとともに、医療スタッフについても定期的な検査を行うこと、また、救急医療で受け入れを拒否する事態が起きていることを受けて、新型コロナウイルス感染症の感染が疑われる方にも検査を行うことを要求。松本常任理事は、「医師が必要と考える検査は実施すべきである」という考えで、日医と厚労省は一致しているとした上で、「どういう方に優先的に検査を実施すべきか等の検討を行う必要がある」との考えを示した。

 江澤和彦常任理事は、介護施設内感染対策について「持ち込み防止」「施設内発生を想定した対応」が柱になるとした上で、各施設において、感染対策の実地研修や現場での行動確認をして欲しいと要望した。

 城守国斗常任理事は、日医が都道府県医師会の事務局長を対象として、緊急に電話調査した結果、都道府県医師会で把握している医療物質は、サージカルマスク、消毒液のみであることが明らかになったことなどを紹介。都道府県医師会に対して、更なる行政との連携を求めた。

 その他、秋田県医師会からは、精神科の医療機関において中等症以上の感染患者が発生した場合の対応方針を示すよう厚労省への働き掛けを要求。長崎県医師会からは、長崎市の造船所に停泊中のクルーズ船でクラスターが発生したことに対する県医師会の対応についての報告がなされた。

 最後に、釜萢常任理事が都道府県医師会事務局長を対象として実施している「新型コロナウイルス感染症 日本医師会検査・救急医療緊急調査」について、その趣旨等を説明するとともに、協力を求め、協議会は終了となった。

◆映像でご覧いただけます。(メンバーズルーム内の掲載となります)
映像配信 コロナウイルス感染症関係

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