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令和2年(2020年)12月25日(金) / 「日医君」だより / プレスリリース

新型コロナウイルス感染症に対応した医療機関等への更なる支援について

 松本吉郎常任理事は12月23日の定例記者会見で、12月15日に閣議決定された第三次補正予算について、厚生労働省関係4兆7,330億円のうち、「地域の医療提供体制を維持・確保するための医療機関等支援」に1兆9,374億円が計上されたとした上で、その概略を説明した。

 補正予算には新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえ、重症患者等の病床確保を始め、地域の医療提供体制を守るため、(1)新型コロナからの回復患者の転院支援(診療報酬の特例評価)、(2)重点医療機関への医師・看護師等派遣の支援強化、(3)小児科等への支援(診療報酬の特例評価)、(4)診療・検査医療機関の感染拡大防止等の支援、(5)医療機関・薬局等の感染拡大防止等の支援、(6)新型コロナワクチンの接種体制の整備・接種の実施―などが盛り込まれている。

 次に松本常任理事は、既存の予算で対応する外来の診療報酬について、「12月15日から、6歳未満の乳幼児への外来診療等に対する評価として100点が、入院では、新型コロナウイルス感染症からの回復患者の転院支援として750点の加算が新たな特例として実施されたが、この点を日本医師会として評価している」とする一方、新型コロナウイルス感染症に直接立ち向かって奮闘している医療機関と、それを面で支える医療機関に対する更なる支援を求めていたことを報告した。

 また、2021年度の薬価改定についても言及し、「コロナを踏まえた医療機関等の経営影響の観点から、医療現場全体への影響が最小限になるよう配慮を求めてきたが、大規模な薬価改定とされたことは誠に遺憾で、医療現場の更なるダメージが大変懸念される」と危惧。その一方で、今回、薬価引き下げ財源の一部を活用して、「初診・再診について1回当たり5点」「入院については入院料によらず1日当たり10点」などの特例的な対応が示されたことについては、「政府が、国民の暮らしを支えている医療機関が街から消滅するという危機が差し迫っている状況にあり、緊急事態であると判断したため、行われるものであると理解している。全国の医療現場で奮闘されている医療従事者の方々に力強いエールになればと考えている」と述べた。

 その上で、新型コロナウイルス感染症の収束のために全力を尽くすためにも、今後の情勢も踏まえながら、医療機関等への更なる支援を引き続き強く主張していくとするとともに、令和3年度の通常予算・補正予算においても、十分な財源確保と多様な支援メニューが設けられ、その柔軟な運用がなされるよう要望していく姿勢を示した。

 この他、松本常任理事は12月22日付で厚労省より発出された「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業に関するQ&A(第10版)」についても取り上げた。「医療機関・薬局等における感染拡大防止等支援事業」の補助対象となり得る経費として、その中に明示された具体例を紹介し、既に日本医師会から発信した情報に基本的に沿ったものであると評価した。

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