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令和3年(2021年)3月11日(木) / 「日医君」だより / プレスリリース

東日本大震災から10年が経過したことを受けて

 中川俊男会長は3月10日に記者会見を行い、東日本大震災の発災から今年で10年となることを踏まえ、犠牲になられた方々に心から哀悼の意を表すとともに、震災から得た教訓を忘れず、日本医師会の対策を強化・深化させていく考えを示した。

 中川会長はまず、東日本大震災について、「甚大な津波被害に加え、福島第一原発事故という未曽有の災害であり、まさに日本史上最大クラスの災害であった」と振り返り、改めて、犠牲になられた方々に哀悼の意を表明。ケガや、やけどの治療ではなく、長期の避難生活での健康管理が主体となり、非常に多くの医療チームやボランティアの配置調整が必要となったことなどの貴重な教訓が、日本医師会災害医療チーム(JMAT)の国の「防災基本計画」への位置づけ、災害医療コーディネーター研修、災害診療記録の共通様式の策定とそれをデータ化したJ-SPEEDの構築などの具体的な方策につながっているとした。

 震災発生時の日本医師会の対応については、当時は準備段階であったJMATを急遽編成し、全国の医師会のご協力の下、被災地に派遣した(JMATI:1398チーム、延べ6,054名、JMATII:1,365チーム、延べ6,574名)ことなどを説明。加えて、(1)その活動が評価され、2014年には災害対策基本法上の「指定公共機関」となり、その翌年から日本医師会長が中央防災会議の委員に就任し、地域医療の担い手の立場で発言をしてきた、(2)『新型コロナウイルス感染症時代の避難所マニュアル』の作成や関連シンポジウムの開催、(3) 南海トラフ巨大地震や首都直下地震を想定し、人工衛星を通して被災地と全国の医師会をつなぐ防災訓練の毎年の実施、(4)JMAT活動強化のためのJMAT研修、「統括JMAT」の創設、「被災地JMAT」と「支援JMAT」との協働というコンセプトの創造、日本災害医学会との相互協力協定を締結した―ことなどにも触れ、こうした活動が災害で犠牲になられた方々に報いることになると指摘。今後も、感染対策をはじめ、国の政策における災害医療の重要性を更に高めることに力を注いでいくとともに、日本医師会の対策を強化、深化させていく姿勢を示した。

 加えて、中川会長は、東日本大震災の教訓を忘れず、未来に引き継いでいくことを国民に示すことを目的として行った日本医師会シンポジウム「東日本大震災10年 あの時得た教訓を忘れない~続ける『絆』の医療支援~」の配信を3月10日より、日本医師会公式YouTubeチャンネルで開始したことを紹介。その視聴を呼び掛けた。

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