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令和3年(2021年)11月20日(土) / 日医ニュース

「災害時における情報共有」をテーマに開催

「災害時における情報共有」をテーマに開催

「災害時における情報共有」をテーマに開催

 「防災推進国民大会2021」の日本医師会セッション「災害時における情報共有」の収録が10月20日、日本医師会館において行われた。
 防災推進国民大会(主催:防災推進国民会議、防災推進協議会、内閣府)は、国民の防災に関する意識向上を目的とし、さまざまな省庁、地方自治体、民間企業、団体などが出展、セッションを行い、今回で6回目の開催を迎える。
 日本医師会では毎年、本イベントに出展しているが、今年度は当日のセッションを動画収録し、11月6日にWEB開催された「防災推進国民大会2021」において、シンポジウムセッションとして配信された。
 セッションは、長島公之常任理事の司会で開会。冒頭のビデオメッセージで中川俊男会長は、今年で東日本大震災から10年が経つことに触れつつ、この10年間、日本医師会は東日本大震災以降に発生した各種災害の教訓も生かしながら、ソフト、ハードの両面から体制整備を行ってきたこと等を説明した。
 今回のセッションについては、近年の被災地内外での組織的な支援活動にICTを活用した状況共有が不可欠となっているため、ICTの重要性を踏まえた内容としたことを紹介。東日本大震災の経験を踏まえて整備してきた体制を、今後起こるとされている南海トラフ大地震や近年増加している豪雨災害などに生かせるよう、引き続き見直す努力を続けていく考えを示した。
 続いて講演を行った近藤久禎日本災害医学会理事/DMAT事務局次長は、災害時には通常の医療体制では対応できないため、災害状況に応じた新たな体制の確立が求められるだけでなく、資源に対する過剰なニーズが発生すると指摘。その解決のためには、ただ資源を投入するだけではなく最大限の効率化が必要になるとした。
 また、災害時に日頃独立している地域の医療機関を組織化するためには、広域災害医療情報システム(EMIS)が有効として、その活用を求めた。
 加藤良平株式会社ケアレビュー代表取締役は、全国の医療提供体制を比較することができ、現在は無料で一般公開されている、日本医師会「地域医療情報システム(JMAP)」の機能について説明。JMAPでは地図から地域の指定の他、地域別統計、施設別検索、ハザードマップとの連携等も可能であるとした上で、今後追加予定の災害情報管理機能等についても紹介した。
 桐谷浩太郎宇宙航空研究開発機構(JAXA)第一宇宙技術部門衛星利用運用センター主幹研究開発員は、陸域観測技術衛星「だいち2号」などのJAXA衛星を活用した防災利用実証活動を紹介。JAXAが政府・自治体の防災関連機関等と連携体制を構築し、令和2年10月から運用を開始した「防災インターフェースシステム」については、「JMAPとの連携を進めており、今後は、状況の可視化による被災地での支援活動にも活用することが考えられる」と述べた。
 瀬尾淳スカパーJSAT株式会社宇宙・衛星事業本部法人事業部専任部長は、同社が協力している日本医師会防災訓練(災害時情報通信訓練)に使用している衛星通信について説明。衛星通信のメリットとしては、主に①災害耐性②同報性③柔軟性④広域性―があるとした。
 また、東日本大震災から得た教訓にも触れ、「災害時の初動対応、現地の状況把握、日頃の訓練が重要になる」と述べた。
 加陽直実静岡県医師会理事は、日本医師会が行った「2020年度南海トラフ大震災想定訓練」に参加した際の同医師会の様子を紹介した上で、実際に本年7月に発生した熱海伊豆山地区の土石流災害に対し、どのように対応したかを説明。情報の伝達において、静岡県の地域包括ケア情報共有システムである「シズケア*かけはし」が重要な役割を果たしたことを紹介した。
 講演に引き続き行われたディスカッションセッションでは、各講師と長島常任理事との間で、質疑応答が行われた。
 総括を行った猪口雄二副会長は、大規模災害が起きた場合、医療に制限が生じるため、「その中でいかに迅速かつ的確に情報共有を行って、医療と患者をつなげていくかが非常に重要になってくる」とした上で、情報共有ツールを駆使することや日頃からの訓練の必要性を強調。日本医師会としても、災害時の情報共有に関する技術向上に努めていく姿勢を示した。

お知らせ
211120e02.jpg 防災推進国民大会2021日本医師会セッションの模様は、同大会のホームページ(https://bosai-kokutai.jp/)でご覧頂けますので、ぜひ、ご覧下さい。

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