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令和4年(2022年)4月21日(木) / 「日医君」だより / プレスリリース

新型コロナウイルス感染症の現況について

 中川俊男会長は4月20日の定例記者会見で、新型コロナウイルス感染症の感染状況及び、ワクチン接種の現況について、日本医師会の見解を説明した。

【感染状況について】
 中川会長は、まず、まん延防止等重点措置の全面解除から約1カ月が経過した状況について、4月15日に厚生労働省が公表した指標では、新規感染者数の1週間の比は全国で1.06と微増に止まったとする一方で、昨年夏の第5波のピークと比べると依然として高い水準であることを報告。

 更に、北海道では1週間の新規感染者が人口10万人当たり298.05人と35ポイントの増加、沖縄県では625.09人で90.4ポイント増加しているとし、急速に感染拡大傾向に転じている地域があるとし、この4月に新規感染者数が過去最多になった県がこれまで9県に上っているとともに、東京都では4月14日現在で新規感染者の約8割がBA.2であるとして、感染力の高いBA.2への置き換わりが急速に進んでいるとの見方を示した。

 また、今月末からの大型連休には、移動される方が大幅に増加する見通しであることから、このゴールデンウィークの行動が、今後の感染状況に与える影響が非常に大きいとして、マスクの着用、手洗いや手指の消毒、密になる場面を避ける、換気をしっかり行うなどの感染対策の徹底と、旅行先や飲食の場面などでは、できる限り少人数で大騒ぎしないなど感染対策の徹底を改めて強調した。

【ワクチン接種について】
 4月15日に、日本医師会館において松野博一ワクチン接種推進担当大臣と会談を行ったことを報告。

 会談では、松野大臣から、高齢者の3回目追加接種率が85%を超えたことについて、全国の医師会への謝意が表明された上で、主要国トップであるイタリアと同程度の全体の接種率60%を目指したいとの意向が示されるとともに、これから若年層の追加接種の時期がピークを迎えることから、日本医師会に対して若年層への接種の啓発と追加接種の推進について協力要請があったとした。

 中川会長は、引き続き万全のワクチン接種体制をとるとして松野大臣の要請に応じ、全国の医療機関や医師会員のところに、ワクチン接種を済まされていない患者さんが受診された際には、きめ細やかに説明するとともに、ワクチン接種の声掛けを行うことにしたとして、4月20日付けで日本医師会から全国の医師会に対し、追加接種の更なる推進への協力を要請したことを明らかにした。

 また、日本医師会公式YouTubeチャンネルでワクチン接種の啓発動画「進めよう!ワクチン接種」を公開していることを改めて紹介し、その視聴を呼び掛けた。

 更に、厚生労働省の統計において、4月12日までの1週間の新規感染者のうち、20歳代以下が約半数を占めていることについて、5~11歳のワクチンの初回接種や12歳から17歳の追加接種が開始されたばかりであり、3回目の追加接種の接種率は、4月18日現在で、20歳代、30歳代で約3割であることを報告。若年者の中には、副反応が心配、重症化リスクが低いという理由などで接種に前向きでない方がいる一方で、若年者の感染者数は多く、発熱や咳、のどの痛みなどの症状以外にも、罹患後症状(いわゆる後遺症)で、倦怠感、疲労感、息苦しさ、思考力・集中力の低下などの症状に半年以上の長期間にわたり苦しんでいる方も少なくないことに懸念を示した。

 また、4月13日開催の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードの資料を基に、3月28日から4月3日までのワクチン接種歴別の新規陽性者数の10万人当たり新規陽性者は、12~19歳で未接種者が692人に対して3回目接種済が104人、20歳代では708人に対して143人と約7分の1になっているとして、若年層においても追加接種を済ませた方の新規陽性者が大幅に減少していること説明。「ワクチンは接種してから効果が現れるまでに1~2週間程度かかる。接種を済まされていない方、特に若年層の方には、ゴールデンウィークが始まる前の今、積極的に接種することをお考えの上、早めに接種を受けて欲しい」と要望した。

◆会見動画はこちらから(公益社団法人 日本医師会公式YouTubeチャンネル)

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