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令和4年(2022年)10月5日(水) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

オンライン資格確認導入推進のための日本医師会の取り組み

日本医師会定例記者会見 9月14日

 長島公之常任理事は、「骨太の方針2022」の閣議決定を経て、中医協答申において「オンライン資格確認の原則義務化」の内容が固まったことを受けて、オンライン資格確認の導入促進に向けた日本医師会の取り組みを説明。「日本医師会として地域医療をしっかりと守りつつ、医療DXの基盤となるオンライン資格確認の推進を更に加速していく」と強調した。

オンライン資格確認は医療DXの基盤

 同常任理事は、まず、オンライン資格確認の意義について、「保険証の資格確認そのものは機能のごく一部に過ぎず、その本質は、オンライン資格確認のシステムが、安心・安全で質の高い医療を提供していくための医療DXの基盤となることである」と指摘。既に患者の同意の下、特定健診等情報とレセプト由来の診療情報、薬剤情報が閲覧可能になっているが、今後は更に拡充し、予防接種、電子処方箋(せん)、自治体健診、電子カルテ等の医療全般にわたる情報について、安全に共有・交換できる全国的なプラットフォームとすることを目指していることを挙げ、「これは日本医師会がかつて取りまとめた『日医IT化宣言2016』で提唱し、長年切望してきた『全国の医療機関を安全につなぐ医療専用ネットワーク』そのものである」として、日本医師会としてもその導入を推進していく意向を示した。
 また、全国的なプラットフォームを構築することのメリットとして、将来的には、国民一人ひとりの正確な医療情報を、全国どの医療機関でも共有できる他、日常診療に加え、生死に関わることもある救急や災害の場面でも、より適切で迅速な医療を受けることが可能になることがあると強調。「医療者にとっても最大の目的である『国民の命と健康を守る』ことに大きく役立つものであり、国民がどの医療機関を受診しても、極めて大きな恩恵を享受できるよう、最終的には全ての医療機関で医療DX基盤を導入して欲しい」と述べた。
 また、その際には国民にも、情報共有によって、より良い医療を受けることができる意義を理解してもらう必要があるとして、今後は国や関係各方面とも協力し、その周知に努めていく考えを示した。

早期の見積もり取得への協力を求める

 日本医師会の対応については、これらの意義を実現するため、原則義務化の対象となる全ての医療機関に対して、導入に向けてシステム事業者からの見積もりの取得を依頼する文書を都道府県医師会宛てに発出した他、9月8日には都道府県医師会社会保険・情報システム担当理事連絡協議会を開催(別記事参照)し、改めて原則義務化の説明をするとともに、推進への協力や各地の医師会で会員向けの説明会を開催してもらうよう依頼したことを報告した。
 また、オンライン資格確認の導入に当たってどう進めればいいか分からない人のために、「オンライン資格確認導入に向けたフローチャート」を日本医師会で作成したことも明らかにした上で、(1)導入義務対象か例外対象かの判断や導入見積もりの依頼の流れなどが示されている、(2)見積もりの依頼の際に確認が必要な情報として、「事業者としてオンライン資格確認導入作業に対応可能か(不可能な場合に、対応可能な他の業者を紹介できるか)」「推奨するカードリーダーの機種があるかどうか(業者の推奨が特になければ、医療機関側の好みで機種を選定する)」―等の5項目があることなどを紹介。「医療機関ごとに導入に必要な対応は千差万別だが、見積もりを取得することで医療機関と業者が共にどのような状況であるのか把握できるので、問題なく導入できる場合には、早期に医療機関等向けポータルサイトからカードリーダーを申し込み、その導入を進めて欲しい」と要望した。
 その一方で、「地域に業者が見つからない」「見積額が補助金上限額より高い」など、導入に課題がある場合には、日本医師会ホームページのメンバーズルーム内に設けた「オンライン資格確認相談窓口」に情報を寄せて欲しいと要望。寄せられた情報に関しては、厚生労働省やオンライン資格確認推進協議会と共有し、課題解決のための情報提供や業者への働き掛け等に使用する他、中医協総会で取りまとめられた答申の附帯意見に記された「令和4年末頃の導入の状況について点検を行い、地域医療に支障を生じる等、やむを得ない場合の必要な対応について、その期限も含め、検討を行う」とされていることから、収集した問題点から「やむを得ない場合」をまとめ、その根拠として活用する意向を示した。

◆会見動画はこちらから(公益社団法人 日本医師会公式YouTubeチャンネル)

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