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令和7年(2025年)11月5日(水) / 「日医君」だより

城内大臣に医療機関等の窮状を訴え、財政支援を求める

 松本吉郎会長は10月31日、城内実賃上げ環境整備・全世代型社会保障改革・内閣府特命担当大臣を、大臣の選挙区のある静岡県の加陽直実県医師会長と共に訪れ、大臣就任への祝意を伝えるとともに、医療機関の窮状を訴え、令和7年度補正予算による賃金・物価上昇への財政支援と次期診療報酬における大幅なプラス改定などを求める要望書を直接、手交した。

 松本会長は同大臣に対し、公定価格で運営されている医療機関等において、経営の安定や賃上げが可能となる環境を整えるためにも速やかに令和7年度補正予算を編成し、財政支援を行うことを要望。また、消費者物価指数が上昇する一方、据え置かれたままとなっている診療報酬の上昇率との間には10.2%もの乖離があるとのデータを示し、令和8年度補正予算における次期診療報酬改定についても、賃金上昇と物価高騰、医療の技術革新に対応した大幅なプラス改定とすることを求めた。

 更に、診療所の4割が赤字であるなど、病院だけでなく、医療機関など全体が厳しい状況であることを強調。「賃金を上げられず、機器の更新もできない」と訴えたのに対し、城内大臣は「本来なら物価上昇とスライドする話だが、議論されながらも放置されていたように感じる」と理解を示した。

 また、同日の会談ではOTC類似薬の保険給付の見直しの議論にも話が及んだ。松本会長は持参した軟こうを例に、約100円(3割負担の患者の場合の自己負担分は30円ほど)だったものが市販薬になると1,000円以上に跳ね上がるなど、保険から外れることでの社会的弱者への影響の大きさを指摘。更に「保険から外れた医薬品を医師や訪問薬剤師が在宅医療などで届けることができなくなるが、へき地の患者や寝たきりの患者が自ら薬局まで買いに行くことは不可能である」と危機感を示した。

 これに対しても、城内大臣は理解を示し、「社会的弱者をしっかり守っていく」と応じた。

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