JMAT施設評価統合システムの画像
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日本医師会総合政策研究機構の秋冨慎司客員研究員がプロデューサーを務め、日本マイクロソフト社と協力して、Microsoft Teamsを中核としたクラウド基盤上に開発した「JMAT施設評価統合システム(FASYS)」がこのほど、2025グッドデザイン賞を受賞した。
大規模災害では全国から多数の医療支援チームが派遣されるため、「医療チーム間の情報の断絶や引き継ぎ不足」「通信手段の混在による混乱」「支援活動の内容が記録されずに情報が消えていく」「行政や他機関との連携の難しさ」「サイバーセキュリティの問題」等が発生しがちであり、大きな課題となっていた。
今回のシステムは、令和6年能登半島地震の際にも、同様の問題が発生したことを受けて、リアルタイムかつ安全に情報を共有でき、活動しているチームの状況の見える化による安全確保を可能にしつつ、場所を問わずチーム間・行政・支援者が連携できる新たな仕組みとして開発されたものである。
同システムでは支援する施設の介入頻度の見える化、個々の施設情報や被災地全体の施設情報の入手、日報入力アプリによる活動記録の共有の他、GPSや音声入力を活用した直感的な報告などが可能となっている。
これらの機能が、さまざまな関係者の連携を可能とする仕組みを迅速に構築し、災害支援の効率化に寄与した点が高く評価されたことが、今回の受賞につながった。
このシステムは、47都道府県のどこからでも被災地の支援を可能とし、自分達の組織から派遣された医療チームや被災地の状況がリアルタイムに入手でき、かつ安全な運用もできることから、今後のICTを使った新たな災害活動支援の指標になることが期待される。



