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令和8年(2026年)1月5日(月) / 日医ニュース

「地域医療提供体制の維持・確保について」をテーマに開催―両団体で問題意識と方向性を共有―

「地域医療提供体制の維持・確保について」をテーマに開催―両団体で問題意識と方向性を共有―

「地域医療提供体制の維持・確保について」をテーマに開催―両団体で問題意識と方向性を共有―

 「全国知事会と日本医師会との意見交換会」が昨年12月10日、「地域医療提供体制の維持・確保について」をテーマに、WEB会議で開催された。
 冒頭のあいさつで松本吉郎会長は、病院も診療所も、民間・公立・公的を問わず、経営が厳しい現状があるとした上で、「将来の医療提供体制のためには、現在の危機的な状況の打開が大前提」と主張。「地域に根差して地域医療を担っている病院や診療所が倒れたら、住民は地元から立ち去らざるを得なくなり、地域社会の崩壊にもつながりかねない」と述べ、住民や患者、地域医療を守っていくためにも、今回の意見交換会で全国知事会と危機感を共有する意義は大きいとした。
 続いてあいさつした阿部守一全国知事会長/長野県知事は、「全国の医療機関の経営が非常に厳しい状況にあることは把握しており、地域医療を守り、持続可能な医療提供体制を構築するには、都道府県と医師会が問題意識と方向性を共有することが重要と考えている」と述べ、地域医療の確保・充実に向けて引き続き、医師会と協力し、取り組んでいく姿勢を示した。
 意見交換では、まず、茂松茂人副会長が、医療機関の窮状を打破するために医療界が一体となって活動してきたことを紹介した上で、令和7年度補正予算案編成に向けた協力に対して謝意を示しつつ、「あくまでも賃金・物価の高騰等が起きた過年度の不足分への対応で、大量出血状態の医療機関に対して一時的に止血するものに過ぎず、大切なのは根治治療である」と指摘。令和8年度診療報酬改定において、その次の改定までの2年間をしっかりとみた改定水準の確保が必要になるとした。
 角田徹副会長は、(1)賃金や物価、人手不足等の医療機関等を取り巻く環境の変化への対応、(2)医師偏在対策、(3)看護職等、医師を支える医療人材の確保、(4)高額な紹介手数料への対策―に取り組む必要性を強調し、2040年を見据えた体制づくりに向けて都道府県医師会との協議や連携を求めた。
 福田稠副会長は、社会保障審議会医療保険部会において、出産の給付体系の見直しの議論が行われていることに言及。「出産費用の無償化等の支援は、現役世代への支援そのものである」との考えを示し、分娩(ぶんべん)を行う病院・診療所が事業継続できるよう基盤を整備するとともに、安全・安心な分娩を提供できるよう厚生労働省等ともしっかり協議していくとした。
 内堀雅雄福島県知事は、厚労省に対して、地域医療及び介護福祉サービス提供体制の維持・確保に向けた緊急提言を行ったことを報告。経済対策の効果を速やかに発揮できるよう、また、賃金や物価の上昇を適切に反映した改定となるよう、引き続き国や関係団体と協力して取り組んでいくとした。
 阿部長野県知事は、(1)医療機関への支援、(2)国民運動(行政・医療関係者・住民の三者間での対話等)、(3)持続可能な医療提供体制の構築、(4)医療人材の確保―の重要性を強調。いずれにおいても日本医師会の協力が不可欠だとして、引き続き連携して取り組んでいきたいとした。
 平井伸治鳥取県知事は、「医師会とベクトルはそろっており、共闘して医療を守りたい」と主張。それには、診療報酬改定や地域医療構想、医師偏在の是正、医療人材の確保が必要になるとして、引き続きの支援を求めた。
 三日月大造滋賀県知事は、診療報酬改定に向けて共闘していくことが大事だとした他、「現場から日本を動かし、諸団体との対話と共創で新たな仕組み・関係をつくる」との方針の下、多様な取り組みを行っていることを報告し、「我々の思いが届くよう、一緒に取り組んでいってもらいたい」と要望した。
 当日の議論を受けて内堀福島県知事は、「地域に根差した診療所や病院を支えることが地域医療にとって重要であるとの認識は共通である。日本医師会との連携を深めながら、地域医療の崩壊は絶対に防ぐという強い決意の下、持続可能な医療提供体制の構築に向けて取り組んでいく」との決意を表明。松本会長は、知事会と医療界のベクトルを合わせ、更にその力を強めて、国や関係省庁に訴えていく必要性を指摘するとともに、「医療提供体制は非常に大切なインフラであり、崩壊はあってはならない。そのために今後も共闘していきたい」と述べ、会議は終了となった。

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