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令和8年(2026年)1月20日(火) / 日医ニュース

令和8年度診療報酬改定に向け診療側から7項目の基本方針を示しその実現に向けた取り組みを求める

黒瀬常任理事・茂松副会長・江澤常任理事黒瀬常任理事・茂松副会長・江澤常任理事

黒瀬常任理事・茂松副会長・江澤常任理事黒瀬常任理事・茂松副会長・江澤常任理事

 中医協総会が昨年12月26日に厚生労働省で開催され、診療・支払両側が次期診療報酬改定に向けた意見を表明。診療側が医科に関して7つの基本方針を示し、その実現に向けた取り組みを求めた。
 今後はこれらの意見を基に、個別項目に関する議論が本格化することになる。

 昨年12月24日の予算大臣折衝で決定された改定率等を踏まえ、当日の総会では、診療側委員全員の連名による「国民が望み納得できる、安心・安全で良質な医療を安定的に提供するための令和8年度診療報酬改定に対する二号(診療側)委員の意見」を提出。医科分に関しては、江澤和彦常任理事がその内容について説明を行った。
 意見書の中では基本的考え方として、「令和8年度診療報酬改定では、地域における医療資源を有効活用しつつ、継続して改革を進めるために必要な財源を配分すべき」と指摘。その上で、医療者として地域医療を面で守る使命感と倫理観に基づき、国民に質の高い医療を提供し、わが国の医療制度を維持・発展させるため、七つの事項〔①診療報酬体系の見直し②あるべき医療提供体制コスト等(医業の再生産費用を含む)の適切な反映③大病院、中小病院、診療所が各々に果たすべき機能に対する適切な評価と、地域の医療提供システムの運営の安定化④医師・医療従事者の働き方の実状を踏まえた診療報酬上の対応⑤小児・周産期医療の充実⑥不合理な診療報酬項目の見直し⑦その他必要事項の手当〕を基本方針として捉え、その実現に向けて取り組むことを求めている。

意見書の全文
https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001623417.pdf

基本診療料を中心として上乗せすることなどを要望

 更に、意見書の中では基本方針を前提として、(1)初・再診料、(2)入院基本料、(3)入院基本料等加算、特定入院料、(4)医学管理等、(5)在宅医療、(6)検査・画像診断、(7)投薬・注射、(8)リハビリテーション、(9)精神科専門療法、(10)処置・手術・麻酔、(11)ベースアップ評価料、(12)その他―ごとに特に検討すべき事項を明示。
 具体的には「初・再診料、外来診療料の適切な評価については、医療機関の健全な経営のために医師の技術を適正に評価し、職員等の人件費や施設費等のコストに見合った点数に引上げること」「医療DXのさらなる推進のための評価」「かかりつけ医機能のさらなる評価」「重症度、医療・看護必要度については大幅な見直しは避け、内科系技術の評価等、不合理な点の是正に留めるべきであること」「患者への丁寧な説明や同意取得の手間等を考慮し、生活習慣病管理料の算定要件を見直すこと」「ベースアップ評価料は対象職種が限定されている等の課題があることから、基本診療料を中心として上乗せすること」などの実現を求めている。
 その他、当日の総会では厚労省事務局から、(1)昨年12月24日に行われた片山さつき財務大臣と上野賢一郎厚労大臣との大臣折衝事項、(2)中医協公聴会の開催―などについて報告が行われた。
 (1)については、①診療報酬本体の改定率がプラス3・09%、薬価はマイナス0・86%、材料価格はマイナス0・01%となった②実際の経済・物価動向が令和8年度診療報酬改定時の見通しから大きく変動し、医療機関等の経営状況に支障が生じた場合には、令和9年度予算編成において加減算を含め更なる必要な調整を行う―ことなどが決まったとされた。
 この報告を受けて、江澤常任理事は「今後も診療側として、質の高い医療を提供すべく、しっかりと中医協で議論をしていきたい」と述べた。
 (2)に関しては、令和8年度診療報酬改定に医療現場や患者等国民の声を反映させることを目的として、1月21日にオンライン形式で公聴会を開催することが発表された。
 なお、意見陳述者は石川県を中心とした北陸地方の医療関係者等となる予定となっている。

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