2023年5月11日
生命(いのち)を見つめるフォト&エッセー
人間や動植物のいのちの輝く一瞬をとらえた写真や、医師や看護師、患者との交流をつづったエッセーを募集する「生命(いのち)を見つめるフォト&エッセー」を開催しています。
本コンテストは、これまで長年にわたり開催されてきた 「生命(いのち)を見つめるフォトコンテスト」と「『心に残る医療』体験記コンクール」を統合、リニューアルしたもので、見た方、読んだ方が、生命(いのち)を見つめるきっかけとなるような作品を募集しています。
「第7回 生命を見つめるフォト&エッセー」のコンテスト概要の詳細は 公式ホームページ をご覧ください。
※応募締め切り:2023年10月4日(水)必着
第6回 生命を見つめるフォト&エッセー 受賞作品
フォト部門
※受賞作品名をクリックして頂くと別ウィンドウで開きます。
審査員からのひとこと
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■野町和嘉(写真家/日本写真家協会会長)
今年度は昨年までに比べ、深みのある素晴らしい作品が集まり格段にレベルアップした印象です。
紋 切り型ではなく独自の眼差 しで被写体と深く向き合っており、その熱量と観察の鋭さが伝わってくる作品が多かったです。たとえば、日本医師会賞「がんばって」は、路上のネコに託すことで、老いを生きることの難しさに目を向けています。また審査員特別賞「ゆりかご」では、子ネコを包む手のあまりの無骨さが、言葉を越えた慈 しみの深さを表しています。
厚生労働大臣賞「小さな笑み」はお湯から上がったところなのでしょうか。柔らかなタオルで繭 のようにくるまれ心地よさげに微笑んでいる。あるいは眠っているのかもしれません。赤ちゃんを包む柔らかな光、シンプルな構図。お母さんの愛情がこもった、なんとも美しい一枚です。
日本医師会賞「がんばって」はタイトルがいいですね。老いを懸命に生きている人間社会の大変さを、路上に寝そべって首を少し傾けた猫がいたわるようにして見つめている。手前に咲きほこる鮮やかな花々もとっても効果的です。
読売新聞社賞「縄張り争いの果て」はエゾシカのオス2頭が壮絶な争いのあげく、絡まった角が外れなくなって片方が死に、残った1頭が頭の部分だけをくっつけたまま生き延びている。野生の生態の凄 まじさを物語るスクープ作品です。春が来れば角は生え替わるために自然に落ちて、シカは生き延びられます。
文部科学大臣賞「パパと遊んだ日」は日影が長く延びてゆく夕刻に、お父さんの自転車に乗せてもらっておうちに帰って行く。ふと見ると、流れる光景のなかに自分たちの影を発見して夢中でカメラを向ける小学2年生、7歳児の興奮が伝わってきます。 -
(c) Machi Iwago■岩合光昭(動物写真家)
作中の笑顔を見ると、こちらも
頬 が緩みます。やさしい写真が多かったです。厚生労働大臣賞の「小さな笑み」や審査員特別賞の「90歳差の二人」などに惹 きつけられました。ネコの笑顔が見えてくるような動物作品もありましたね。印象に残ったのは読売新聞社賞の「縄張り争いの果て」。ドラマティックでした。こういう瞬間に出会えたことが貴 いと思います。小中高生の部では文部科学大臣賞の「パパと遊んだ日」。日常にカメラの存在があり、とても自然な瞬間が写し取られていました。
厚生労働大臣賞「小さな笑み」は審査員満場一致でした。誰が見ても「微笑んでいる」と思わせるところがこの作品の力となっているのでしょう。背景と赤ちゃんとの色のコントラストも印象に残ります。撮影した方の赤ちゃんへのやさしい語りかけが聞こえてくるようです。
日本医師会賞「がんばって」は構図が洒落 ています。おばあちゃんの青、ネコの黄、そして花の赤やピンクが、バランスよく収められています。日常のひとコマなのですが、こうした光景が見られなくなってきているような気がします。ネコがおばあちゃんを励ましているように感じました。
読売新聞社賞 「縄張り争いの果て」は動物の作品で一番印象に残りました。縄張り争いは動物の世界では当たり前のことですが、このような形で見ると衝撃的で、野生に生きる厳しさを改めて感じます。この後、このエゾシカのオスは生き残れたのか。そんな思いまで抱かせる作品です。
文部科学大臣賞「パパと遊んだ日」は何かを感じて、シャッターを押す。写真にとって大切なことがそこにあると思います。これが写真の原点なのだと感じました。幼いころの記憶として、永遠に残る一枚となる。こんな写真がたくさんあったら幸せな人生ですね。タイトルも好きですよ。 -
■玉城ティナ(女優)
終わりがあるとわかっているからこそ、今生かされている私達はふとした一瞬に、感情を抱く事ができると思います。そのきらめきを切り取るのに一番しっくりくる表現が、私にとっては写真です。今回の写真も、
「パパと遊んだ日」はお父さんの朽 ちた後を感じさせるようなものから、思わずクスッと笑ってしまうようなものまで、とても幅広いバリエーションの中に皆様のおもいおもいの「生命」があって、見ていて新鮮な気持ちになりました。
厚生労働大臣賞「小さな笑み」は一番小さくて、一番希望の感じられる存在である赤ちゃんを被写体とした、まっすぐな写真だなと思いました。個人的には、鮮やかな色ではなく、グレーや白をチョイスした事で、幸せ溢 れる、というだけではない温度になっている気がします。
日本医師会賞「がんばって」は、なんでもないような日常写真に一見感じられるのですが、実はとても計算されています。手前のお花のピンクや赤、おばあちゃんのパンツの青、猫と麦わら帽子の色合いや、絶妙な構図など。おばあちゃんが猫に応援されているようでほっこりします。
読売新聞社賞 「縄張り争いの果て」は北海道でしか撮れないでしょうし、初めて見た写真でした。自然界の厳しさ、生きるか死ぬかの戦いの末の一枚。表情の感じ取れない鹿だからこそ、こちらにリアクションを委ねてくるように感じました。ショッキングですが、目を背けてはいけない現実が写っています。
文部科学大臣賞漕 いでくれる自転車の後ろに娘さんが乗っていて、娘さんの成長だったり、これから家に帰るのかな、などという想像をしました。実体ではなく、影というのもいいなと感じました。夕方の光が美しいです。
エッセー部門
一般の部
- 厚生労働大臣賞
- 「私を救ってくれた保健師さん」
- 江口 絵里子(大阪府)
- 日本医師会賞
- 「最後の贈り物」
- 池田 康子(長野県)
- 読売新聞社賞
- 「干支のぬいぐるみ」
- 田上 寛容 (鹿児島県)
- 審査員特別賞
- 「終わり良ければすべてよし」
- 小髙 綾乃(東京都)
- 審査員特別賞
- 「私を救った言葉」
- 前田 俊武(北海道)
- 入選
- 「生きてこそ」
- 河島 憲代 (静岡県)
- 入選
- 「二度目のさよなら」
- 阿部 廣美(静岡県)
- 入選
- 「Every day is a GIFT」
- 秋澤 真希子(埼玉県)
中高生の部
- 文部科学大臣賞
- 「自宅で看取る」
- 池田 帆那(長崎県)
- 優秀賞
- 「祖父への手紙」
- 西野 花香(大阪府)
- 優秀賞
- 「命のつながり~母から学んだこと~」
- 横浜 桃香(北海道)
- 優秀賞
- 「「意思疎通」は難しい」
- 武知 涼太(愛媛県)
小学生の部
審査員からのひとこと
-
■養老孟司(東京大学名誉教授/解剖学者)
何年か審査に当たっているが、全体の水準がしだいに高くなって、審査が難しくなってきたように思う。今回は引き続くコロナもあり、世相がやや暗いという背景があって、結果的には前向きで明るい作品に好感を持つことになった。
感動的な出来事を描いた作品が多かったが、そうした出来事を人に伝えるのには、技量が必要である。出来事と書き手の距離の取り方と言ってもいい。距離が近すぎると、押しつけがましく感じられるし、遠すぎると感動が薄れる。
家族に関する身近な話題が多かったが、もう少し広く世間を見て、さまざまな事象について書けるような視点を養ってほしいと思う。いわば私小説から離陸して、より大きな文学的視点に立つ、と言ってもいい。 -
■玄侑宗久(作家/福聚寺住職)
例年のことですがまさに作品の数だけ人生があり、じつに豊かな拝読時間でした。感謝します。人生も体験も評価などできないものですが、ここでは優劣をつけざるをえず、これはあくまで表現についての評価だと、応募者の皆さんには言い訳しておきます。
ただ、なかには体験として忘れがたい話もあり、私にとっては妊娠4ヶ月で末期癌 が発覚した秋澤さんの体験でした。7ヶ月のときに手術を受け、胎児の存在ゆえに術後の痛み止めも使えない、本当に壮絶な体験で、よくぞ生き抜いたと喝采 したくなりました。「ドンドン!グリグリ!」という胎児の動く音も最高ですね。「毎日が贈り物」というその日々を、共に祝福いたします。 -
■水野真紀(俳優)
中高生の部の文部科学大臣賞「自宅で看取る」は理想と現実を軽やかに描いた印象的な作品でした。
定期的に幼稚園でボランティア活動をしていますが、家に帰れば85歳と82歳の実親との生活が待っています。このような状況で強く思うのは、生命の輝きや重みに年齢は関係ないということです。
生命への思いに満ちた作品の数々を前に、付箋 を付けたり、メモしたり、毎回迷いながら選考しております。
作品と向き合う時間は、生命の輝きを見つめ直し、その生命にかかわる人々と出会うひとときです。直接お会いする機会はなくとも、エッセーを通じて、私たちは人の優しさやいたみに触れ、思いやる気持ちを育むことが出来ます。これらの作品が多くの人に届くことを願うばかりです。
第7回 コンテスト概要
<日程>
- 2023年5月11日(木)~10月4日(水)(必着)
- 入賞者発表
- 2024年2月(予定)
- 受賞作品新聞紙面
・ウェブサイト掲載 - 2024年2月(予定)
- 表彰式/記念パーティー
- 2024年2月(予定)
<賞>
フォト部門
一般の部
- 厚生労働大臣賞(1点)
- 賞金10万円、賞状他
- 日本医師会賞(1点)
- 賞金10万円、賞状他
- 読売新聞社賞(1点)
- 賞金10万円、賞状他
- 審査員特別賞(数点)
- 賞金5万円、賞状他
- 入選(数点)
- 賞金3万円、賞状他
小中高生の部
- 文部科学大臣賞(1点)
- QUOカード3万円分、賞状他
- 優秀賞(数点)
- QUOカード5,000円分、賞状他
エッセー部門
一般の部
- 厚生労働大臣賞(1点)
- 賞金30万円、賞状他
- 日本医師会賞(1点)
- 賞金30万円、賞状他
- 読売新聞社賞(1点)
- 賞金30万円、賞状他
- 審査員特別賞(数点)
- 賞金10万円、賞状他
- 入選(数点)
- 賞金3万円、賞状他
中高生の部
- 文部科学大臣賞(1点)
- QUOカード3万円分、賞状他
- 優秀賞(数点)
- QUOカード5,000円分、賞状他
小学生の部
- 文部科学大臣賞(1点)
- QUOカード1万円分、賞状他
- 優秀賞(数点)
- QUOカード5,000円分、賞状他
<概要>
- ①フォト部門
- 生命(いのち)の尊さ、大切さを感じさせる写真を募集します。人間、動物、自然など被写体は自由です。
- ②エッセー部門
- 病気やけがをした時の思い出、介護や生命の誕生にまつわる話、医師や看護師、患者との交流など、医療や介護に関するエピソード、お世話になった医師や看護師ら宛てに送ったという想定の「感謝の手紙」などを募集します。
※小学生の部では、「家族や自分が病気やけがをした時の話」「兄弟姉妹が生まれた時の話」「家族や自分が健康のために心がけていること」などを募集します。身近な生き物の話にまつわるエピソードも可能です。
<審査員>
- ①フォト部門
- 岩合光昭(動物写真家)
奈緒(俳優)
他
- ②エッセー部門
- 養老孟司(東京大学名誉教授/解剖学者)
玄侑宗久(作家/福聚寺住職)
水野真紀(俳優)
他
フォト部門
応募規定
■応募作品は、応募者本人が撮影した未発表作品に限ります。
※デジタルカメラで撮影したもの、デジタルプリントも応募可能です。
※500万画素以上であれば携帯電話等での撮影も可能です。500万画素未満の場合は選考対象外になることがあります。
※画像処理等の加工、合成及び組み写真は不可とします。
■作品のプリントサイズは、キャビネ判(2L)とします。
■応募作品は、2020年6月1日以降に撮影したものに限ります。
■応募は1人3点までに限ります。
応募方法
■ウェブサイトからの場合は公式ホームページの応募フォームより応募してください。
■郵送の場合は、応募作品の裏に、題名、氏名(ふりがな)、年齢(生年月日)、郵便番号、住所、電話番号(FAXがあればFAX番号も)、メールアドレス、職業(または学校名と学年)、撮影年月日、撮影場所、撮影に使用したカメラ等の機材名を明記した紙を貼り、下記の作品送付先に送って下さい(応募用紙は公式ホームページよりダウンロードしてご利用下さい)。
※なお、審査期間中にオリジナルデータを提供していただく場合があります。
※ご記入いただいた個人情報は、受賞した場合の連絡、作品に関する問い合わせ、取材、本コンテストに関するご案内のみに使用し、それ以外の目的での使用や、第三者に譲渡することはありません。
※氏名は実名のみの受付となります。
注意事項
■盗作、二重応募、類似、事実ではない創作作品の応募は固くお断りいたします。応募作品について、盗作等による著作権侵害の争いが生じても、主催者は責任を負いません。
※すでに書籍化したものや、公の刊行物に掲載されたものは応募不可とします。
※違反が確認された際は、受賞決定後も賞の取り消しとなる可能性があります。
■応募作品は返却いたしません。
■入賞作品についての著作権は、撮影者に帰属します。ただし、入賞作品について、読売新聞紙上及びその他広報物に使用する権利は、主催者が有します。
■入賞作品の発表では、新聞紙面およびウェブサイトに、作品と実名、年齢、顔写真、学校名(小中高生の場合)を掲載します。ペンネーム、イニシャル等による発表はできません。
■医師および医療従事者も応募可能です。
エッセー部門
応募規定
■自作の未発表作品に限ります。
■一般・中高生の部:2,000字(原稿用紙1~5枚)以内。
■小学生の部:1,200字(原稿用紙1~3枚)以内。(ペットや動物の命にまつわるエピソードも応募可能)
■応募は1人1点までに限ります。
■チャットGPTを利用して文章を作成した作品は応募できません。
※パソコン、ワープロ使用の場合、1ページ400字(20字 20行)。
※ウェブ応募の際は公式ホームページからダウンロードしたテンプレートを使用してください。
応募方法
■ウェブサイトからの場合は公式ホームページの応募フォームより応募して下さい。
■直筆の場合、鉛筆(Bまたは2B)、ボールペン、万年筆のいずれかを使い、濃く書いて下さい。
■郵送の場合は、作品に応募用紙をつけて、題名、氏名(ふりがな)、年齢(生年月日)、郵便番号、住所、電話番号(FAXがあればFAX番号も)、メールアドレス、職業(または学校名と学年)を明記して下さい。封筒の表に「一般の部」または「中高生の部」、「小学生の部」を明記し、下記の作品送付先に送って下さい(応募用紙は公式ホームページよりダウンロードしてご利用下さい)。
※ご記入いただいた個人情報は、受賞した場合の連絡、作品に関する問い合わせ、取材、本コンテストに関するご案内のみに使用し、それ以外の目的での使用や、第三者に譲渡することはありません。
※氏名は実名のみの受け付けとなります。
注意事項
■盗作、二重応募、類似、事実ではない創作作品の応募は固くお断りいたします。応募作品について、盗作等による著作権侵害の争いが生じても、主催者は責任を負いません。
※すでに書籍化したものの要約や、公の刊行物に掲載されたものは応募不可とします。
※違反が確認された際は、受賞決定後も賞の取り消しとなる可能性があります。
■応募作品は返却いたしません。
■入賞作品についての著作権は、主催者に帰属します。入賞作品は、主催者が管理するウェブサイトで使用されるほか、新聞・雑誌・テレビ・ラジオ・書籍・教材などに利用されることがあります。
■入賞作品の発表では、新聞紙面およびウェブサイトに、作品と実名、年齢、顔写真、学校名(小中高生の場合)を掲載します。ペンネーム、イニシャル等による発表はできません。
■医師および医療従事者も応募可能です。
<郵送での応募>
作品送付先
〒104-0061 東京都中央区銀座7-15-5 共同ビル3F
「生命を見つめるフォト&エッセー」係
お問い合わせ先
〒100-8055 東京都千代田区大手町1-7-1
読売新聞東京本社 次世代事業部「生命を見つめるフォト&エッセー」事務局
TEL:03-3216-8598(平日午前10時~午後5時)
または[公式ホームページ]まで