FACE to FACE
interviewee 大塚 勇輝 × interviewer 中村 薫
中村(以下、中):大塚先輩は、中四国医学生コミュニティCOMEsを立ち上げたり、医学生生理学クイズ大会を日本で最初に開催したり、岡山大学の医学教育学生会の代表として先生方と意見交換を行ったりと、非常に幅広く活動していますよね。今回、インタビューするにあたって、友人たちに先輩の印象を聞いてみたら、「名前は知ってる」「色々やってる人だよね?」と言われました。
大塚(以下、大):そういう印象なんだ(笑)。僕も低学年の頃「なんかすごそう」って思ってた先輩がいたけど、自分が言われる立場になると、「そんなに色々やってないよ」って思っちゃうな。
中:私は現在COMEsの代表を務めさせていただいていますが、先輩がCOMEsを立ち上げたきっかけは何だったんですか?
大:直接のきっかけは2年生の頃、東大・京大・名大・阪大の学生が行う研究発表会「4大学学生合同リトリート」に参加してみたことだね。同じ学年の医学生が発表しているのを見て「すごい」と思うと同時に、岡山県内だけでなく、外にも目を向けなければと思ったんだ。でも、大阪や東京と比べて岡山に入ってくる情報はかなり少ないから、ぼんやりしていたら取り残されてしまう。そこで、情報を集めて共有する団体を作ろうと考えた。COMEsは今でこそ色々なイベントも企画するようになったけど、初めはLINEグループで集めた情報を共有していく小さな活動だったし、今もその活動は大切にしているよ。
中:先輩はどこからこんなに情報を集めてくるんだろうって、いつも不思議に思っていました。
大:初めはネットサーフィンで片っ端から探していたけど、今はSNSやメーリングリストから勝手に入ってくる感じかな。SNSをうまく使って情報収集・発信することで、新たな活動につながっているように感じているよ。だから後輩たちも、COMEsを利用して、楽しいことをどんどんやってくれたらいいなと思っています。
中:他にも先輩は英文で臨床実習の症例報告を書き、学会で発表して表彰されるなど、個人としても実績を出していますよね。
大:これは以前、「臨床実習の症例報告を英文誌に投稿したらアクセプトされた」と言っていた先輩がいて。じゃあ僕もやってみようと思って、5年生の時に指導医の先生に相談して挑戦させていただいた。そうして実習を頑張っているうちに、他科の先生方からも「学会に行ってみないか」と声をかけていただき、発表することになったんだ。
中:お話を伺っていて、先輩は「いいな」と思ったらすぐに自分でもやってみようと思い、実際に行動に移すところがすごいなと思いました。その原動力は、どこから来ているんですか?
大:実は僕は低学年の頃、真面目に勉強したいと思う一方で、漠然と何か楽しいことをしたいという気持ちがあって、悶々としてたんだ。その時の思いが今の自分につながっているのかもしれない。個人で楽しいことを見つけるには限界があったけれど、COMEsを立ち上げたら範囲が広がった。そして活動を続けるうち、他の地域の人たちからも何かと声をかけてもらえるようになったんだ。
後輩の皆さんも、興味のあることがあれば、学生のうちに気軽に挑戦してみてください。そして、身近な人や外の人とのつながりを大切にし、与えられた機会を疎かにせずしっかり取り組んでいけば、少しずつ可能性は広がっていくと思います。
大塚 勇輝(岡山大学 6年)
1994年福岡県生まれ。ラ・サール中高卒。中四国医学生コミュニティCOMEsを設立するなど、医学生の視野の拡大と交流のための企画、広報などに数多く携わる。将来は、医学と医学以外の分野を融合し、人とのつながりを築くことをライフワークとする臨床医になりたい。
中村 薫(岡山大学 4年)
大塚先輩にはこれまで様々な場面でお世話になってきましたが、今回初めて、多様な活動に取り組む動機や大切にしていることなどを聞き、改めてとても素敵だなと思いました。私の大学生活の残り2年間や、その先も、先輩のように面白そうなことに目を向け、しっかり楽しみ、取り組みたいと思います。
※医学生の学年は取材当時のものです。
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