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平成30年(2018年)7月19日(木) / 「日医君」だより / プレスリリース

平成30年7月豪雨に対する日医の対応

 石川広己常任理事は7月18日の定例記者会見で、15日に江澤和彦常任理事と共に「平成30年7月豪雨」の被災地である岡山県、次いで広島県を訪問したこと、及びJMATの活動状況について報告した。

 同常任理事は、初めに、18日12時現在のJMAT活動状況について、兵庫県医師会が組織し14日に倉敷市内に入った統括JMATを含め、岡山県で19チーム、広島県で13チーム、愛媛県で2チームが既に派遣終了し、派遣中は岡山県13チーム、広島県4チーム、派遣に向けて準備中は岡山県12チーム、広島県1チームとなっていることなど、資料を基に報告した。

 続いて、15日の被災地訪問については、岡山県では、県庁・倉敷市保健所・岡田小学校(真備町)を、広島県では、同市安芸区畑賀福祉センターを訪問先として、統括JMATの兵庫県医師会チームや行政との協議、倉敷地域災害保健復興連絡会議(Kurasiki Disaster Recovery Organization: KuraDRO)やJMATのミーティング等を通して、被災地の現状と今後のニーズを把握したとして、経時的に詳細な説明を行った。

 その中では、地元吉備医師会の会員による移動診療所の開始の他、呉妹(くれせ)地区では、水道が通る予定の24日に仮設診療所を開始する方向で調整中であることを明らかにした。

 同常任理事は、現地を移動中、大変な暑さと乾燥した砂ぼこりが舞っている状況等を写真で示しつつ、現地では熱中症や復旧作業中のケガ、結膜炎等が増えているとの報告があることから、メディアに対し、全国からボランティアで向かう人々に向け、熱中症対策や、破傷風の予防接種を受けた上で現地に赴くよう、働き掛けて欲しいと要望した。

 また、現地での医療は、保険診療を中心にするとの岡山県庁の方針であり、保険証をなくした場合、被用者保険では1.氏名、2.生年月日、3.連絡先(電話番号)、4.事業所名、国保と後期高齢者保険では1.氏名、2.生年月日、3.住所、国保組合では、1.氏名、2.生年月日、3.住所、4.組合名―を言えばそれぞれ受診できること、また、窓口負担について、災害救助法適用地域で猶予される条件についても説明した。

 同常任理事は、今後は医療機関の復旧が焦点となると指摘。"医療がなければまちの再建はない" と述べ、日医として、地域医療、地域包括ケアの復旧を全力で支援していくとし、厚生労働省の「医療施設等災害復旧費補助金事業」、経済産業省の「中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業」、また、被災して休業している医療機関の従業員の雇用を守るため、厚労省の災害で休業している場合の失業手当、休業手当を支払う場合の助成金制度等の情報を、岡山・広島・愛媛各県医師会に提供し、検討を依頼しているとした。

 最後に石川常任理事は、今回のJMAT活動では、平成28・29年度の「救急災害医療対策委員会」が提言した「統括JMAT」を倉敷市に派遣したことから、日医では、今期の同委員会で検証を行い、今後は被災地の都道府県医師会との連絡緊密化を図った上で、「先遣JMAT」を早期に派遣できるように検討していくとした他、本年度、「診療を行う基本編」「統括JMAT編」「地域医師会JMATコーディネーター編」の3つに分けて、JMATの研修を実施する予定であるとして、これらを通して全国のJMATの質を底上げし裾野を広げていきたいとした。

 会見に同席した江澤常任理事は、記者からの質疑応答の際、関連して、岡山県では、避難所にいる介護を必要とする方の介護施設への入所や市内近辺施設へのマッチング作業と、急性期病院等から二次的な施設等への移動などが、併行して行われている状況を説明した。

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