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令和元年(2019年)8月20日(火) / 日医ニュース

「男女共同参画のこれまでとこれから―さらなるステージへ―」をテーマに

「男女共同参画のこれまでとこれから―さらなるステージへ―」をテーマに

「男女共同参画のこれまでとこれから―さらなるステージへ―」をテーマに

 第15回男女共同参画フォーラムが7月27日、「男女共同参画のこれまでとこれから―さらなるステージへ―」をテーマとして、仙台市内で開催され、日医からは横倉義武会長を始め、今村聡副会長、小玉弘之・道永麻里両常任理事、計田香子理事が出席した。
 当日は、基調講演(1題)、報告(2題)、シンポジウム等が行われ、その成果を別掲の宣言として取りまとめ、採択した。

 フォーラムは、橋本省宮城県医師会副会長による開会宣言で幕を開け、3名の来賓者によるあいさつが行われた。
 冒頭あいさつした横倉会長は、「皆さんの協力により、男女共に働きやすい環境の整備が徐々にではあるが進んできている」として、感謝の意を示した上で、「今後、医学部卒業生の男女比率は同数になることが予想される中で、医療界をリードする女性が現れることが期待されている。本フォーラムがその一助となれば幸いである」と述べた。
 佐藤和宏宮城県医師会長は、今回のフォーラムが今後の男女共同参画の推進に資することに期待感を表明。村井嘉浩宮城県知事は、「医療界における男女共同参画の推進は安全で質の高い医療の提供につながるものであり、県としてもしっかり支援していきたい」とした。
 引き続き行われた基調講演では、本橋ほづみ東北大学加齢医学研究所教授がさまざまな環境因子に対して、人間がどのように対応しているのか、環境応答の仕組みについて解説。転写因子「NRF2」がその仕組みの活性化に大きく寄与しているとするとともに、同研究所の「NRF2」の加齢性難聴、アルツハイマー病に関する研究成果を紹介し、抗老化作用も明らかになりつつあるとした。
 その上で同教授は、「これからも健康長寿の実現のため、研究を続けていきたい」と述べるとともに、「NRF2」の活性化に寄与する野菜として、「ブロッコリースプラウト」「わさび」「ハーブ」などを挙げ、その摂取を呼び掛けた。

女性医師バンクの全国的な連携体制の構築を目指す

 続いて、2題の報告が行われた。
 日医の小笠原真澄男女共同参画委員会委員長は、(1)今期の同委員会への横倉会長からの諮問は「男女共同参画の推進と医師の働き方改革」、(2)2019年に都道府県医師会における女性医師に関わる問題への取り組み状況調査を実施予定―であることなどを説明。今後は、厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」で議論された、医師の時間外労働の上限規制が女性医師の働き方にどのような影響を及ぼすかについても検討していきたいとした。
 小玉常任理事は、「日本医師会女性医師支援センター事業」について、求職登録者、就業成立状況共に順調な伸びを示していることを紹介。本事業の課題と展開に関しては、①日本医師会女性医師バンクの全国的な連携体制の構築(具体的には「都道府県医師会担当者制度(仮)」の創設を検討中)②マッチングノウハウの更なる向上③女性医師支援にとどまらず、シニア医師や医業承継支援への事業展開(国と調整中)―があるとして、その実現に意欲を示した。

新専門医制度へのさまざまな不安が明らかに―シンポジウム

 シンポジウムでは、まず、「"新専門医制度"に対していだく期待と不安~女性研修医と女子医学生の立場から~」と題して、福與なおみ宮城県医師会常任理事が「カリキュラム制による従来の専門医制度で研修ができたために、自分は専門医の資格を取得することができたと思う」と述べ、現行制度の仕組みに疑問を投げ掛けた。
 岩田彩加氏(東北大医学部6年生)は新専門医制度について、「ロールモデルがいない」「初期臨床研修病院を専門医取得まで見据え、選択するのは困難である」などの不安を述べるとともに、「プログラムに従って研修をすれば、一定の知識や技術を習得した医師になることの保証」「取得基準の明確化、分かりやすさ」などが実行されることに期待感を示した。
 横山日南子氏(東北大学病院初期研修医2年目)は、新専門医制度が過渡期であるため分からないことが多いとして、情報の周知徹底を求めるとともに、「結婚などにより、別の都道府県に移って研修を続行したい」「出産・育児でプログラムを中断した」といった場合にどうすれば良いか不安を感じているとした。
 高橋克子宮城県医師会女性医師支援センター長は、大学、学会、医師会並びに意思決定の場における男女比を2014年と2019年に実施した日医のアンケート調査の結果を比較しながら説明。「着実に変化し、良い方向へと進んでいる」と強調した。
 また、今後、男女共同参画をより進めていくための方策については、「男女平等の意識の醸成」「男女が認め合うこと」「ワークライフバランスを図る」「多様性を認める」などが必要になるとの考えを示した。
 力山敏樹自治医科大学附属さいたま医療センター副センター長は、外科医の減少を防ぐには女性医師を勧誘し、女性外科医が働きやすい環境を整備することが必要になると強調。同センターの取り組みとして、子育て中の女性医師に対して、「朝カンファレンス」「当直、夜間呼び出し」の免除等を行っているとする一方、「抱えている問題、目指していることは十人十色であり、それぞれの要望を丁寧に聞いて対応することが大事になる」とした。
 その後の総合討論では、シンポジストと参加者との間で活発な意見交換が行われた。
 コメンテーターとして出席した今村副会長は、「新専門医制度に対して不安を持っている学生や若い医師の声を直接聞き、心が傷んだ」とした上で、「分からないことがあれば、日本専門医機構に直接、あるいは都道府県医師会を通じて日医に知らせて欲しい」と要請。「女性が要職で働くことができる環境整備が必要であると感じており、日医としてもしっかりと取り組んでいきたい」と述べ、理解と協力を求めた。
 引き続き、今回のフォーラムの成果として取りまとめられた別掲の宣言が読み上げられ、満場一致で採択された。
 なお、次回の本フォーラムは大分県医師会の担当により、令和2年5月23日に大分市内で行われることになっている。

第15回男女共同参画フォーラム宣言
 日本医師会男女共同参画フォーラムが平成17年に初めて開かれて以来14年の活動で得た成果を基盤にし、医療においてもワークライフバランスが重要という意識を確信した。この活動のさらなる発展を図るために、男女を問わず医師の働き方改革を進めながら、国民の医療に大きく貢献できる段階へと進化させることを決意し、以下、宣言する。
一、多様な働き方を認め、男女を問わず豊かな医療人を育む
一、指導的立場の女性医師を増やし、2020.30運動の理念を医師会・大学・学会ともに連携して推し進め結果を出す
一、医師を目指すすべての人に対する、医育機関での公平で公正な対応を求める
令和元年7月27日
日本医師会第15回男女共同参画フォーラム

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