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令和2年(2020年)6月5日(金) / 「日医君」だより / 日医ニュース

「新型コロナウイルス感染症における診療体制に関する要望書」提出

 横倉義武会長は5月1日、中川俊男副会長、猪口雄二全日本病院協会長、加納繁照日本医療法人協会長と共に厚生労働省を訪れ、加藤勝信厚労大臣に日医・四病院団体協議会の共同による「新型コロナウイルス感染症における診療体制に関する要望書」を提出した。
 要望書は、4月以降、外来・入院共に大幅に患者数が減少していることなどを踏まえ、各地域で診療体制を継続させるためとして、
 (1)医療機関が経営破綻を起こさないよう、災害時と同様に前年度の診療報酬支払額に基づく概算請求を認める、
 (2)地域医療介護総合確保基金の執行残を含む不急の事業計画については使途を見直し、新型コロナウイルス感染症対策に優先的に配分する、また、その際に新型コロナウイルス感染症患者に対応する医療機関はもとより、後方支援する医療機関も存続できるよう、地域医療介護総合確保基金の使途を改めて拡大し、柔軟に運用する、
 (3)風評被害等により、外来・入院・救急等が不可能とならないよう適正な報道のあり方を検討する、
 (4)現状有効と考えられている医薬品について、積極的な医療従事者への予防投薬が行われるよう検討する、
 (5)国として、国内企業における感染防護具の生産増強が図られるような施策を実施する、
 (6)国として新型コロナウイルス感染症患者に対応している医療従事者が感染した場合の補償について十分な配慮をする―ことの6点を求めるものとなっている。
 当日は、要望書の内容を中川副会長及び猪口全日病会長が、医療機関の現状を加納医法協会長が、それぞれ詳細に説明。これに対して、加藤厚労大臣は、「損失補填のようなことはできないが、新型コロナウイルス感染症患者に対応するための物的・人的な費用に関しては、しっかり補償していきたい。当面の費用が必要であれば、福祉医療機構の融資制度を活用して欲しい」とするとともに、「今後も、皆さんと連携しつつ進めていきたいと思っているので、引き続きよろしくお願いしたい」と述べ、一定の理解を示した。
 一方、横倉会長が新型コロナウイルス感染症以外の患者に対応している医療機関についても経営上厳しい状況にあるとして、診療報酬上の対応を強く要望したことに対して、加藤厚労大臣は、「新型コロナウイルス感染症以外の患者に対応している医療機関でも、待合室はクラスターの発生源となる可能性が高く、予約システムの導入等を行った医療機関を支援することなども考えていきたい」とした。

 

2020年5月1日
厚生労働大臣 加藤 勝信 殿
新型コロナウイルス感染症における診療体制に関する要望書
公益社団法人日本医師会
会長 横倉 義武
(公印省略)
一般社団法人日本病院会    
会長 相澤 孝夫
(公印省略)
公益社団法人全日本病院協会  
会長 猪口 雄二
(公印省略)
一般社団法人日本医療法人協会 
    会長 加納 繁照
(公印省略)
公益社団法人日本精神科病院協会
会長 山崎  學
(公印省略)

 全国に緊急事態宣言が適用される中、各医療機関は新型コロナウイルス感染症患者の受入、並びに拡大防止に向けて最大限の対応を行っているところです。同時に、新型コロナウイルス感染症患者以外の診療も継続して行わなければなりません。先の新型コロナウイルス感染症重症者等に対する診療報酬上の評価については感謝申し上げるところでございますが、各地域で診療体制を継続させるために下記の事項を要望いたします。


〇 4月以降、外来・入院とも大幅に患者数が減少している。この状況が続くようであれば、6月以降の医療機関経営に重大で深刻な影響が出る。医療機関が経営破綻を起こさないよう、災害時と同様に前年度の診療報酬支払額に基づく概算請求を認めていただきたい。

〇 地域医療介護総合確保基金の執行残を含む不急の事業計画については、使途を見直し、新型コロナウイルス感染症対策に優先的に配分していただきたい。またその際、新型コロナウイルス感染症患者に対応する医療機関はもとより、後方支援する医療機関も存続できるよう、地域医療介護総合確保基金の使途をあらためて拡大し、柔軟に運用していただきたい。

〇 現在、無症状感染者は数多く存在し、救急対応による入院患者等からの院内感染は常に起こる可能性がある。院内感染に対する過剰な報道は患者及び職員の不安を増長することとなり、医療機関はその対応に苦慮している。各医療機関は保健所と十分に相談したうえで、自院の対応を決定しており、風評被害等により、外来・入院・救急等の対応が不可能とならないよう国としても適正な報道のあり方について検討していただきたい。

〇 アビガン等の治験が進められているところであるが、医療従事者を守るために、現状有効と考えられている医薬品については、積極的な医療従事者への予防投薬が行えるよう検討していただきたい。

〇 N95マスク・防護服・ディスポーザブルガウン・ディスポーザブル手袋等の感染防護用品の不足については、未だ解消の見込が立っていない。国として国内企業における生産増強が図られるような施策を行っていただきたい。

〇 新型コロナウイルス感染症患者に対応している医療従事者が感染した場合の補償について、国として十分な配慮をお願いしたい。
以上


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問い合わせ先

日本医師会地域医療課 TEL:03‐3946‐2121(代)

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